遺句集「あらきみほ句集 ガレの壺 / オペラとノエル」

令和六年一月十六日、あらきみほは永眠いたしました。
一周忌を迎えるにあたり、生前から準備を進めていた第二句集を『ガレの壺/オペラとノエル』として上梓いたしました。

本書には、第一句集『ガレの壺』の再録に加え、第二句集の原稿、そしてブログ「Miho Haiku Note」からのエッセイを収録しております。
一月十六日、その日の手帳に記された「一月の半ば過ぎたり空の色」が最後の句となりました。

第一句集からの歩みとともに、日々の暮らしの中で詠まれた句々を、この一冊に収めることができました。
長きにわたりあらきみほの俳句とブログを読んでくださった皆様に心より感謝申し上げます。
これからもあらきみほの句が、皆様の心の中に残り続けることを願っております。

令和七年一月十六日

あらきみほ句集『ガレの壺 オペラとノエル』

https://www.amazon.co.jp/dp/B0DSHDDLQ7/

深見けん二先生に師事し、生涯にわたり俳句と真摯に向き合った俳人・あらきみほの遺句集です。
本句集には、第一句集『ガレの壺』とその後に詠まれた句を収録。師とともに歩んだ日々の中で培われた俳句の精神が、自然と人間への深い愛情に彩られた数々の作品に反映されています。

目次:

第1句集 ガレの壺
第一章「春の欝」
第二章「白鳥」 平成四年、五年
第三章「雪鬼」 平成六年
第四章「雛げし」 平成八年
第五章「花の下」 平成九年

第2句集 オペラとノエル
八成小学校のころ
Ⅰ 天が引く 平成九年~十五年
Ⅱ 小鳥来る 平成十六年~十九年
Ⅲ 小面 平成二十年~二十二年
Ⅳ 勾玉 平成二十三年~二十六年
Ⅴ ガレの蝶 平成二十七年~二十九年
Ⅵ 鵲の橋 平成三十年
Ⅶ 天の憂ひ 平成三十一年~令和四年
Ⅷ なつかしぐさ(追加原稿) 令和五年
Ⅸ 空の色(手書きノートより) 令和五年~六年

あとがき 呼び呼ばれ
エッセイ 相棒&ボディガード

Miho Haiku Note
あしたの風 第二十七夜 あらきみほの「春夕焼」の句
千夜千句 第千夜 深見けん二の『もみの木』より

主な俳句:
仔犬抱き春の愁ひも抱きあげし
踏んだかもしれぬ四つ葉のクローバー
しあはせの後の正面われもかう
春眠のはは勾玉のかたちかな
蝶飛んできてガレの草ガレの花
春愁ひ天の憂ひにしたがへり
人生のなつかしぐさのこの辺り
犬に引かれこの道きつと恵方道
一月の半ば過ぎたり空の色
春夕焼ひとなつかしく歩きたく

著者略歴
昭和二十年、大分県生まれ。青山学院大学英米文学科卒業後、俳句の世界に進み、深見けん二氏に師事。俳誌「花鳥来」「青林檎」に所属し、俳句の評論や研究にも取り組む。句集『ガレの壺』、編著『小学生の俳句歳時記』、著書『図説 俳句』『添削・俳句入門』など多くの作品を出版。

サンプル: