茨城県自然博物館「狩」展へ

 「狩」展のチケットがあるからと友人に誘われて、菅生沼の丘の上に建つ茨城県自然博物館に出かけました。最近は冬になると菅生沼の白鳥を見に出かけますが、自然博物館へ来るのは、10年前に「蛍の夕べ」に申し込んで、夫と二人で参加して以来でした。参加者はお父さんと男の子の組み合わせが多く、時間になると庭園の暗闇へと歩き出しました。カブトムシを見つけたり、ホタルを追いかけたり。親子の会話が聞こえてくるので聞き耳をたてると、男の子の知識の豊富なこと・・一生懸命にお父さんに教えていました。お父さんの方も昔は男の子・・二人の会話は男の子同士でした。

 さて、蛍の夕べを思い出しながら館内をゆくと、お母さん連れの小学生が多かったようでした。夏休みも終わり間近からか、もしかしたら提出するレポートのためか、ノートと鉛筆を片手に熱心に見ている子どもの姿が印象的でした。

 館内は混んでいて暑く、恐竜の巨大な標本に目を奪われ、今回のテーマである「狩」のことをよく考えずに、見て周ったことが、家に帰ってから悔やまれました。
 順を追って部屋に入ってゆくことは、つまり、恐竜の時代から現代の生物たちになるまで移り変わってきた46億年の旅をしていたのと同じだったのです。

 恐竜同士の戦いは、映画やマンガで見たことがあって、淘汰してゆく過程の姿であるとは感じることができませんでしたが、現代に見かける動物や虫たちの争う弱肉強食の姿には、ああ、命と命のやりとりの果に生き延びるものと死ぬものとがいることが伝わってきました。

 カメラマンたちが何日も何時間も一箇所に腰を据えて「その瞬間」を捉えた写真がたくさんありました。たとえば、カマキリです。獲物を食べる前にカメラに気づいたのか、こちらを向いた顔の三角形が異常に印象に残っています。また蛇です。何かを飲み込んだ蛇の一部は膨れ上がっていました。
 また、ヒョウの走る姿の写真が印象的でした。その横にヒョウの頭の標本がありましたが、とても小さいことに驚きました。ライオンよりも疾いのは、頭が小さくて流線的な形だからでした。

 その数日後のNHKテレビの「チコちゃんに叱られる」を観ていると、チコちゃんの質問に「恐竜は生きているか?」がありました。はるか昔に絶滅して化石になっていると思っていたのですが、答えは「いる」でした。なんと、現代の「鳥」が恐竜の進化した(?)ものだというのです。理由は、足の形だそうです。

 もう一度行って調べてみたくなりました。
 今回は、準備不足で出かけたこと・・本当に残念でした。(令和元年8月27日)