「千夜千句」が終え、ゆっくり始まった「あしたの風」は第三夜目である。11月24日から行われたFIFAワールドカップのことからスタートしよう。私自身は、スポーツは詳しくはないが、居間のテレビは夫と娘に乗っ取られてしまい、いつの間にか、日本代表の試合の日には観戦するようになって30年以上は過ぎている。
ついに4年に1度のワールドカップの、すさまじい熱気に巻き込まれてしまっている。
今宵から暫くは、ワールドカップに私も俳句で参戦してみよう。
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圭佑やサッカーゴールに最敬礼 ※テレビに本田圭佑が・・
(けいすけや サッカーゴールに さいけいれい)
途中からつけたテレビに本田圭佑が出ていた。今回は日本のレポーターとして呼ばれていたのだと思うが、日本がFIFAワールドカップに出た最初のメンバーの一人であった。
今回のカタールのサッカースタジアムを案内していたときだ。サッカーゴールに入った圭佑がにっこり笑って最敬礼のポーズをしているではないか。
その笑顔が、わが家のテレビにも映っていたのだ。
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サッカーのながいながい無回転ゴール ※FIFAとは国際サッカー連盟
(サッカーの ながいながい むかいてんゴール)
今回、「無回転ゴール」という名を知った。ボールは回転しながら飛ぶものと無回転でまっすぐに飛ぶものがあるという。フリーキックやロングシュートを打つ場合に無回転キックをする場合が多いという。
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十一人の心は一つサッカーゴール
(じゅういちにんの こころはひとつ サッカーゴール)
ピッチに立ったのは一試合で十一人以上になる。一試合目に勝ったときに注目されて称賛されるのはいい。だが負けたときに失態をした若い仲間が、リポーターから集中攻撃されているのを見るのは仲間として辛い。十一人の心を一つにしてピッチに立って戦ってきたのだから・・。
この日、対戦相手はコスタリカであった。一戦目のドイツに勝っていた日本にはどこかコスタリカには楽に勝てる、という気持ちがなかったとは言えない。
ワールドカップに何回も出ている最年長の長友佑都は責任をとるかのように、「ぜんぶ俺が悪かった!」と言った。この言葉は、そこはかとなき長友のやさしさであると思った。
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サッカーや勝てさうにないドキドキ感
(サッカーや かてさうにない ドキドキかん)
さて、強いドイツに勝って、楽勝と思ってしまったコスタリカに負け、三戦目は強いスペイン戦が控えている。
ドキドキしながら最後となる一戦を楽しみたい。