■第五夜 あらきみほの「続 喜寿の友」
俳句の同い年の仲間の浦部熾さんが4月に喜寿を迎えた時に喜寿の俳句を差し上げた。
胡蝶の夢てふてふひらひら熾の舞
(こちょうのゆめ ちょうちょうひらひら おきのまい)
そして、大学時代の5月生まれのESS以来の仲間のムチョこと相澤紘子さんが喜寿を迎えた時にも俳句を差し上げた。
虹の橋わたり夢追ひ人となり
(にじのはしわたり ゆめおいびととなり)
そして、昨年の11月6日、よそいきの服を作ってくださるデザイナーの里奈さんから、国立能楽堂のお誘いを頂いた。私は、3年間ブログで書き続けた「千夜千句」が終えたばかり、もうすぐ喜寿よ、などと電話でお話していたこともあって、久しぶりに里奈さんとのデートに出かけた。御礼状に認めた一句である。
秋うらら能楽堂に翁かな
(あきうらら のうがくどうに おきなかな)
この日の演目は、「翁」で「白式」であるという。シテは友枝昭世。じつは昨年の7月22日に、夫荒木清が長崎で教員をしていた時の最初の教え子の佐藤尚君のドライブで中尊寺行きを誘ってくれた。中尊寺で待っていてくださったのは中尊寺の友枝昭世ご住職であった。
手賀沼のハスが中尊寺ハスとして培養され、第2花が咲きましたよという報せを、中尊寺の友枝昭世ご住職からのお電話で頂いたのは、平成十一年に第2花が開花した時であった。招かれたのは、もう25年近く前のことであった。
昨年の7月に中尊寺へ連れて行ってくれた佐藤尚君は、寺社の建造物を手掛ける松井建設に勤務している。金色堂に入ると、佐藤君は梁の辺りに目をやって、「ああ、上手くできている!」と、安堵の声を上げた。友枝昭世ご住職はすかさず、「松井建設さんですか?」と佐藤君を見た。
第六夜は、大学時代の英米文学科で同級であった4人の仲間の2人が8月に喜寿を迎えたとき、喜寿の句を詠んで互いを祝った。1月9日生まれの堀江さんが、4人の仲間の最後である。私も詠んでみた。
冬うらら四人の仲間みんな喜寿 みほ
(ふゆうらら よにんのなかま みんなきじゅ)
堀江さんへ(1月9日生まれ)
1・祝おうよ一月九日喜寿となり みほ
2・奥入瀬に友の笑顔の年賀状 々
3・冬麗や声掛けあうて我ら喜寿 々
上田さんへ(8月20日生まれ)
1・花野風のつもり花畑のつもり みほ
2・マンションの廊下散歩や花野人 々
3・秋めくと二人の友は喜寿となり 々
田永さんへ(8月30日生まれ)
1・うすものや喜寿の祝ひの席にをり みほ
2・祝されて秋の絵扇馥郁と 々
3・秋めくと二人の友は喜寿となり 々
あらきみほ(11月10日生まれ)
1・帰り花いちりんふゆるけふの喜寿 みほ
2・喜寿となる額を冬日にあづけたり 々
3・祝喜寿やルビー混じりの紅葉道 々