第千夜 深見けん二の『もみの木』より
ブログ「千夜千句」の第千夜は、私の俳句のはじまりの頃のお話をしておこうと思う。当時住んでいた練馬区谷原の家からは車で10分もかからない場所の都営地下鉄大江戸線「光が丘駅」に、練馬区最大級の大型ショッピングセンターima...
ブログ「千夜千句」の第千夜は、私の俳句のはじまりの頃のお話をしておこうと思う。当時住んでいた練馬区谷原の家からは車で10分もかからない場所の都営地下鉄大江戸線「光が丘駅」に、練馬区最大級の大型ショッピングセンターima...
「千夜千句」も、あと2夜となった。俳句の入口は、荒木清の知り合いの「炎環」主宰の石寒太さんであり、句会の二次会の酒席であった。百万本清は夜な夜な飲んでばかりの印象であったが、終に、俳句の道へ引かれていった。もう40年以...
遠山さんは、夫にとっては長崎で知り合った信頼する友であり、私にとっても心優しい兄貴でいてくれた方である。 趣味は連句と俳句。荒木清との付き合いから、守谷市の「円穹」句会にもずっと長崎から投句してくれていたが、有馬朗人...
毎日のようにブログ「千夜千句」を綴っていると、次に何を書こうかしらと、本棚の句集を探し回っている。ある日、導かれるように句集『冬椿』と目が合った私は、そのまま階下の廊下で立ち読みをしていた。 数日後のこと、不思議...
星川和子さんは、平成17年(2005)にスタートした「円穹」俳句会の当初からのメンバーのお一人である。口数の少ない方で、どなたの知り合いであったのか知ったのは大分後のことであった。 「円穹」では、年に数回ほど茨城県南...
片山丹波さんは、前回の第九百九十四夜で紹介させていただいた片山和子さんのご主人である。 今宵は、丹波さんの男っぽい作品の中にある繊細さを紹介してみよう。 ■ 石鎚山の冬天衝くやシベリウス (いしづちの とうてん...
今日ご紹介するのは、杉並区の八成小学校以来の友人である。その頃から頭のよい人で、もう一人の平田さんと競っていたことを思い出す。片山さんのお母様が教育に熱心であったことは、勉強部屋が個室ではなく、長い廊下に兄弟姉妹の机が...
ブログ「千夜千句」は、日々、昔を思いながらの長い旅に出てしまっているようなものである。今宵、ふっと「老」の作品鑑賞をしたいと思った。 そうだった。出版社「蝸牛社」を立ち上げて数年後の40年ほど前に、「秀句三五〇選シ...
茨城県はレンコンが全国一位という産地である。勝又洋子さんをお連れして土浦の蓮根掘を見に行ったことがあるが、随分と昔のことで、深見けん二先生の「花鳥来」に入会して間もなくだったと記憶している。俳句は、まず「見ること」が第...
いよいよあと10日で千夜となる。あと10の文章しか書けないとなると、あのことも、あの句も、あの人のことも、まだ書いていない!・・と、気持ちが激流となって押し寄せてくる。 俳人には俳句には季語がある。大切な・・大きな季...
ケーキ好きな娘は、守谷市のケーキ屋さんで自分の誕生日のケーキを自ら選んで買ってきた。 「一個600円もしたのよ!」と言いながら、「無花果(イチジク)」ケーキが3個入った包みを開けて見せてくれた。 「あらあ・・美味し...
一昨夜は10月8日で見事な十三夜の月を見た。昨夜は夕方近くから土砂降りとなり、今宵の10月10日は、午後には晴れてきた。夕方の散歩では大きな月が地平に赤く見え、夜の散歩に出たときには月は真上にのぼっていて、願った通りの...
小学校では夏休みの宿題は、問題集を一冊仕上げることと、他に一つ自分で決めた自由研究があった。私が自由研究で何を提出したのかおぼろげであるが、記憶に残っているのは、ある年はカブトムシやクワガタ、ある年は蝶や蛾の標本を針で...
夫が畑作りに夢中になっていた頃、通り道になっている畑の片側にトウモロコシを柵のようにして植えていた。時には、実がなって良い具合に茎から飛び出た形になると、ポキっと折っていく人もいたようだ。明日の朝あたりに収穫して、女房...
晴れた日の秋の夜空は、虫と蟬たちの賑やかな鳴き声と星々の煌めきが、うつくしいハーモニーを奏でているかのようだ! 犬のノエルが近づくと虫たちは、はたと鳴き止み、通り過ぎると再び順に鳴きはじめる。そこには「間」があって、順...
小学校時代に住んでいた杉並区下井草の家も、中学・高校・大学時代まで住んでいた練馬区石神井公園の家にも、柿の木は一本あった。柿の甘さを特に思い出すこともないので、渋柿だったかもしれない。母でなく祖母が、軒下に2個ずつ紐を...
長崎市の松山公園の向かい側にある私立活水高等学校で、英語教師を4年間していた。長崎市は東京と比べると気温が高い。1学期が終わり夏休みが終わり・・2学期の初日のことだった。 大学時代は2学期の初めには、秋の装いを取り入...
1938年9月28日、豪華客船クイーン・エリザベス号がイギリスのグラスゴーで起工した。クイーン・エリザベス2世号は豪華客船。1969年に就航し、主に大西洋横断クルーズや世界一周クルーズを行い、日本にも何回か寄港したこと...
今年の9月は、2つの「国葬」があった。1つは9月19日、イギリスのウェストミンスター寺院で行われた、エリザベス女王の国葬。もう1つは、9月27日午後2時に武道館で行われた日本の元首相であった安倍晋三の国葬である。国葬を...
まんじゅしゃげ 斎藤茂吉 曼珠沙華は、紅い花が群生して、列をなして咲くことが多いので特に具合の好いものである。一体この花は、青い葉が無くて、茎の上にずぼりと紅い特有の花を付けているので、渋味とか寂びと...
烏瓜の花をじっくりと観ることができたのは、茨城県取手市に移転してからのことである。車ですこし北上すると、牛久沼があり、沼の周りを車で走ると、沼を見下ろす高台に小川芋銭居がある。「ホトトギス」主宰である高浜虚子の最晩年の...
9月19日は敬老の日であった。敬老日の句を我が身の句として詠んでみたくなる歳になってしまった。「千夜千句」のゴールを11月10日の我が誕生日と目標を立てていたが、順調に進めば10月半ば・・千日業は、すこし早めに終えそう...
昨夜の8時からの実況中継では、ウェストミンスター寺院で行われた英エリザベス女王の国葬に、テレビの前の私たちもイギリスでの国葬と同時間に立ち会っているように感じることができた。 卒業した青山学院の高等部では毎日、全...
そういえば、このところ大きな台風は守谷市には来ていない。近くには大河の利根川が流れているが、現在は、堤防もしっかり出来上がっている。この地に住むようになってからのことなので、7、8年ほどである。 7年前の2015年9...
父が庭に植えていた「ひまわり」は、大きく育った。家の向かい側の井草教会の日曜日の礼拝の帰りがけの人たちが垣根に近寄っては父によく話しかけていた。ツツジの垣根の内側には、いろいろな花が植えてあったが、夏には背高の向日葵が...
丁度一年前の第六百七十一夜の「千夜千句」を読み返してみると、昨日の9月15日は深見けん二先生の命日であった。先生が亡くなられた日の翌日の16日、私は仕事を抜け出して、車を走らせ、一人で曼珠沙華の寺として有名な、常総市に...
9月14日は、漫画家の赤塚不二夫が生まれた日。誕生日である。赤塚不二夫は、漫画作品からも、生き方からも、命日を記すよりも、オギャーと元気よく生まれたであろうと想像したいから、誕生日がよく似合う。 「トキワ壮」は、...
今宵は、「菊」の作品を見てみよう。 ■ 百丈の断崖を見ず野菊見る 高浜虚子 『六百五十句』 (ひゃくじょうの だんがいをみず のぎくみる) たかはま・きょし 掲句は、虚子が福井県三国に住む森田愛子を訪れ...
9月11日から「大相撲九月場所」が始まっている。今日は三日目。 思い出すことがある。新聞社に勤めていた父が会社から帰るなり、「ミホ、日曜日の最終日の相撲のチケットを2枚もらったたから一緒に行こう。土俵際の一等席だぞ!...
練馬区石神井公園駅を降りて10分ほどで、石神井公園に着く。公園沿いに西へゆき、通りを超えると三宝寺池である。さらに三宝寺池の脇道を上ってゆくと、池と同じ名の寺院・三宝寺がある。正確には、真言宗智山派亀頂山蜜乗院三寶寺。...
第九百六十八夜の、大学Ⅰ年の音声学(フォネティックス)の授業での老教授の林檎の話のつづきをしておこう。もしかしたら「千夜千句」も3年目が近くなっているので、林檎の季節のときに、老教授の話した女の子と男の子の小さなラブ・...
7月ぐらいから、川原などに咲いているのを見かけるが、撫子は秋の七草の1つである。山上憶良が『万葉集』巻八で詠んだ二首の歌から、春の七草(七種とも表記する)とともに、秋の七草がある。 春の七草は、せり、なずな、ごぎょう...
大学Ⅰ年の音声学(フォネティックス)の時間のこと。確か、老教授であった。まずは、ア、エ、イ、ヲ、エ、オ、ア、ウと・・発音の練習を教授の言う通りに、私たちは声を揃えて、大きな声で発音の練習を繰り返していた。18歳の女の子...
毎日の犬のノエルの夜の散歩は私の担当で、8時前後の30分ほど。近所の数軒先の片側には空地と雑木林が広がっていて、月と星の観測地点でもある・・と言えばかっこいいけれど・・守谷の夜空でよく見える星座は、ぼわんと見える天の川...
伊丹啓子さんから、2022年8月22日に発行された第3句集『あきる野』をご贈呈いただいた。啓子さんは、私どもが出版社蝸牛社を経営していた時代に、俳句・背景シリーズ㉑『愛坊主』の著者として参加くださった。 句集『あきる...
大正12年(1923)9月1日11時58分32秒、関東大震災が起きた。 関東大震災の夜 野尻抱影 (略)何年生きていてもこんな凄愴(せいそう)な、悪夢のような光景を見られるものでないとは、誰でも考えたこと...
歳時記を見ると、「秋の夜」と「夜の秋」と似ているような季語がある。俳句を詠む時には全体の調べも大切なので、うっかり間違えてしまうことがある。間違えるのは、「秋」の文字が含まれているために2つとも秋の季語だと思ってしまう...
このところ赤とんぼを見ていないように思う。東京の練馬区に住んでいた頃、私の吟行の場であった光が丘公園の一番奥まで、よく犬を連れて散歩していた。 ある日、午後の夕方近い時間帯であったと思うが、赤とんぼの一連隊に出合った...
夏休みの終わりに近づくと、小学生だった頃の年子の娘と息子を思い出す。問題は、親の言うことを聞く素直な子であるか否かではなく、夏休みの長さと勉強時間の長さを自分自身で考えて、計画的に実行できるかどうかであろう。 と、今...
昨夜の8月27日、全国花火競技大会「大曲の花火」が秋田県大仙市で行われた。久しぶりにテレビで観た今年の花火の色彩の美しさに、ことに感動した。 以前は、赤や青や緑が多かったが、今年観た花火は、じつに柔らかなソフィスティ...
流星とか流星群とか、興味をもって夜の高速道を走って、秩父まで出かけたのは、俳句をはじめてからであった。何でも自分の目で確かめなくちゃ、と思うようになったのは、深見けん二先生の「花鳥来」の一員になってからである。 ...
夫の父の後妻となった母は、長崎県島原市役所に女学校卒業後に勤めていた。亡くなって久しくなったが、確か、大きな商家の娘であったと覚えている。 朝の仏壇の勤行や、親戚付き合いのこまごましたことなど、じつにきっちりしていた...
「千夜千句」に到達するまで、あと40日余りになった。残暑厳しき折なのにと、言い訳したくなりそうな連日である。だが、もう40日余りまで迫ったのだ。目標は、11月10日に喜寿となるわが誕生日までに達成することである。 ...
犬連れでよくドライブしたのは、黒ラブ1号のオペラであった。利口な犬で、家族の心の動きも読んで行動していたように思う。13歳の夏のこと、寿命であったかのように一夏の日々をすこしずつ弱り、出来ないことが増え、8月24日の明...
八月の夏で思い出すことといったら、夫が長崎東高校で教員をしていた当時の教え子たち・・クラスの子ではなく、もっぱら軟式テニス部の顧問であった頃の子たちが、夏休みに、東京に住むようになった私たちの2部屋のアパートに大勢で遊...
「千夜千句」も第九百五十五夜となった。「千夜」まで、あと一息というところまで来ているのだが、夏バテ状態となりパソコンに向かう時間は長く、パソコンに文字は埋まらない時間が流れ、悶々した時間だけが過ぎている。 「千夜千句...
お盆は終わったが、わが家の仏壇では、17日の姑のキメコさん、18日の夫の6歳で亡くなった弟忠司くん、20日の私の母フサと忌日が続いている。 父は幼い頃に両親を亡くし、母は軍人の父を日露戦争に従軍中の支那で亡くしている...
初めての地である茨城県取手市に転居してからのことだ。俳句をするようになっていた私は、時間さえあれば親孝行のように見えるかもしれないが、母と黒ラブ1号のオペラと一緒に、この新天地を車で駆けぬけ、吟行へ飛び出していた。 ...
今日はお盆の中日。わが家の生身魂である夫は朝から不機嫌で、私のすること一つ一つに文句をつけている。夫の母のキメコさんは57歳で亡くなられた。当時長崎県教育委員会副会長をしていた舅である父は、大家族を任せる妻が必要であっ...
8月13日の今朝のこと。目覚めるとまずカーテンを開けると、空一面が真っ赤に染まっていたのだ。わあっきれいと思いつつノエルを朝の散歩に連れ出した。いつもより早い時間であったので、いつもすれ違う散歩のおじさんもいなかった。...
蛇沼公園は、名前だけ聞くと「本当に蛇が出てくるのかしら?」と思うが、そうではなかった。雑木林が真ん中の芝生の広場をぐるり囲んでいる公園だ。歩いてゆくと、雑木林は小高くなっていて、下ってゆくと公園を囲むように沼面が見えて...
一輪の朝顔 岡倉覚三 花物語は尽きないが、もう一つだけ語ることにしよう。十六世紀には、朝顔はまだわれわれに珍しかった。利休は庭全体にそれを植えさせて、丹精こめて培養した。利休の朝顔の名が太閤...
私が俳句という文芸に興味をもって俳句にのめり込んだのは、経営していた出版社「蝸牛社」で、『蝸牛 新季寄せ』、『子ども俳句歳時記』『蝸牛俳句文庫』俳句シリーズ、『秀句350選シリーズ』など俳句関係の制作と編集に多く携わっ...
私の父は、雑草の花が好きで、同じ雑草が好きな仲間と秩父へよく行っては帰りにビニール袋いっぱい何種類もの雑草を根ごと抜いてきては庭に植えて楽しんでいた。雑草好きの仲間とは、私の小学校の同級生の辻野五郎丸くんのお父さんであ...
今日8月7日は2022年の立秋。毎年のことなのに今年の立秋も、茨城県在住の私には、身体的には秋の気配を感じることはない。だがテレビニュースの映像では北国の秋祭りなどがあって、暑かった夏が過ぎてゆくのを、どこかほっとした...
今日は広島忌。1945年8月6日を『広島原爆忌』『広島原爆の日』と言い、1945年8月6日にアメリカ軍による広島市への原子爆弾投下に由来する。私も1945年の生まれなので、同じ77回目である。 平和記念式典は、慰霊碑...
7月の中頃、山口梅太郎さんから、俳人協会刊行の自註現代俳句シリーズ・13期 13の『山口梅太郎集』を謹呈いただいた。 最初にお会いしたのは、平成4年、大泉学園の駅の近くの公民館で行われていた「屋根」主宰の斎藤夏風先生...
昨日も今日も最高気温が39℃を超えて、40℃になるかもしれないという予報である。犬のノエルのオシッコ散歩に近くの野原までゆくが、39℃近いという自分の体温以上の空気の中を歩いているというのは、おかしな気分である。犬も地...
ブログ「千夜千句」は、千夜かけて、昔のこと、これまで生きてきた、出逢ってきた人たち、出合ってきた様々の出来事を、思い出してゆく旅のようなものであると言えようか。。 今日は第九百四十二夜。千夜までは、もう六十夜足ら...
風死す 『気象歳時記』平沼洋司著 酷暑とは夏の暑さのピークをさすが、ではいつごろが一番暑いのであろうか。理科年表にある全国八十地点で最高気温の記録が出た日時を調べてみた。結果は八月上旬が最も多く三十六地点、次...
茨城県守谷市に住む私が、大きなスーパーであるジョイフル本田の花屋で八重咲きの百合の花を見かけたのは、今年になって早々お祝いに差し上げることがあって、薔薇の花を探しに行ったときのことである。これまでは、薔薇の花束が一番ス...
今朝、吉川一平さんから、十年ぶりに夫婦で太平洋岸の二つ島に遊びにきています、というメールが入ってきた。 私も、2年に1度ほど、茨城県北の五浦(いづら)へ行く。ここは岡倉天心が初めて訪れたときに気に入ったという海岸であ...
次の季題を何にしようかと考えていたら、畑から夫が青唐辛子をビニール袋にいっぱい摘んできた。私が苦手としてきた辛い食材の一つであった青唐辛子だが、摘みたての青さと艶と、中に詰まっている種が柔らかそうな手ざわりに、今宵の一...
今宵は、作りたてであるが、2日ほど悩みながら詠んだ作品の10句を紹介させていただこうと思う。 中尊寺行 あらきみほ ■ 1・雲の峰とほまきにして東北道 (くものみね とおまきにして...
一昨日の7月22日に、中尊寺へ日帰りのドライブ旅行をした。早朝の4時半に佐藤尚くんが来てくれて、佐藤くん一人で全行程を運転してくれた中尊寺行きとなった。 「雨天」という天気予報通りのハイウェイは混雑もなかったが、中尊...
平成11年7月17日の朝、電話が鳴った。声の主は、中尊寺円乗院住職の佐々木邦世さんであった。 「ハスの花が咲きました。明日の早朝が見頃です。まだ、一般の方は誰も見ていません。」 じつは7月の初めに第一花が咲いた...
これまでの77年近く生きてきた中で、すてきな形の雲の峰に出逢うと、時間があれば、ぼうっと雲の動きをいつまでも眺めていることがあったなあ! 2年前、近くにできたショッピングモールのイオンタウンで買物をした後、外に出...
虹の懸け橋 虹は太陽を背にして、自分の面前で雨が降っている時に現れる。その虹の真下に行ってみたいと、子どもの頃、駆け出した経験のある人も多いのではなかろうか。しかし、虹は自分と太陽と雨の降っている所の関係から...
昨日の続きになるが、ひこばえ幼稚園の庭を囲むように植えられた栗の木は、花の時期であっても「イヤな匂い」がすると感じたことはなかった。その頃の私は小学校の低学年であったから、大人になって知った匂いだったのだ、ということに...
私が6歳の頃、この杉並区に家を建てて葛飾区から越してきた。玄関の向こう側は、ひこばえ幼稚園の門であったが、一月もせずに小学生になるので、ひこばえ幼稚園にはついに通うことはなかった。園内にある沢山の栗の木に実が落ちる頃の...
近年のわが家で食べるトマトは、夫の畑で育てているトマトが稔ってくれる限り、スーパーで買うことはなくなった。この守谷市に住み、畑作りもようやく失敗作が少なくなってきているので、毎日の献立のサラダではすっかり当てにしている...
高校時代のこと、体育館には各学年、各クラス、各自のロッカーが具えてある。毎回、体育着を持ち帰って洗濯するのは面倒なことであった。冬季や涼しい頃には問題はないのだが、蒸し暑さのはじまった6月か7月のことだ。授業の後に体育...
出版社蝸牛社をやっていたころ、気象予報士であった平沼洋司著『気象歳時記』を出版したことがある。その中に、「梅雨と風土」の項目があるので、一部を紹介させていただこう。 日本の気候の特徴である梅雨と夏の蒸し暑さを東洋...
『虚子俳話』の目次の一番最初は、「俳句は季題の詩」である。この文章をそのまま転載させていただこう。 従来の俳句に季題といふものがつきまとうてゐるのは、何かさうしなければならん理由があるのだらうか。あると思ふ。併し...
今宵は、波多野爽波の作品を見てみよう。 ■ 金魚玉とり落としなば舗道の花 『舗道の花』 昭和28年 (きんぎょだま とりおとしなば ほどうのはな) 金魚玉は、ガラス製の丸い球形の金魚鉢のこと。軒端などに吊...
今宵は、夏の季題「滝」の句を紹介させていただこう。 ■ 滝落したり落したり落したり 清崎敏郎 『凡(はん)』平成3年刊 (たきおとしたり おとしたり おとしたり) きよさき・としお 清崎敏郎の作品にまとめて触...
今日は、守谷市を北上し、つくば市をさらに北上し、筑波山が青々と見えるあたちの「つくば植物園」へ出かけた。娘が見たいと言ったのは、「リュウゼツラン」であった。まだ青々と剣のような葉が出ているだけであった。「葉っぱだけなの...
大きな毛虫を見て、「キャーッ!」と言わなくなったのは、60歳くらいの頃からだ。茨城県取手市に越してきて、30キロの黒ラブを乗せて一人で、あちこち車で出かけるようになった。まだ車にナビは付けていなくて、車内に大きな地図を...
歌人窪田空穂に次の螢の1首がある。 其子等に捕へられむと母が魂螢と成りて夜を来たるらし (そのこらに とらえられむと ははがたま ほたるとなりて よをきたるらし) 東京に住んでいた頃、6月になると「飛ん...
鰻は大好物だが、私は、泥鰌は大の苦手である。小学校の頃だったと思う。ある夏の日曜日、父が泥鰌汁が食べたいと言い出した。父は、ちょっと嫌な顔をした母を見た父は、駅前の魚屋まで自ら買いに出かけた。買ってくれば作るのは君だよ...
梅雨の最中であろうかと予定を立てて、季題と例句を探していた。半端ない蒸し暑さではあるが、雨がぱらぱらと降ったかしらというほどの雨量なので、例年のように畑道にできる水たまりが今年はないのだ。 水たまりがあると楽しい! ...
今宵は、深見けん二先生の主宰誌「花鳥来」に掲載してくださった、あらきみほの文章「絵画と俳句」を、「千夜選句」に転載させていただこうと思う。 絵画と俳句 あらきみほ 「シャンソンは語るように台詞は歌...
すごい雹だったなあ、と思い出す雹に、私は2度出会っている。2度とも東京から茨城県の取手市に越してきたばかりの頃であった。 1度目は、待ち合わせした東京神田の喫茶店。店の外に張り出した布製の屋根の下のテーブル席にいた時...
高浜虚子の句を思い出している。 咲き満ちてこぼるる花もなかりけり 高浜虚子 『虚子秀句』 (さきみちて こぼるるはなも なかりけり) もう30年近くになるが、私は当時住んでいた東京練馬区の光が丘公園の...
今年の梅雨入りは、6月6日に梅雨入りしたと思われる、という気象庁のコメントがあったが、例年に比べると早い梅雨入りであった。さらに驚くことは、気象庁のコメントした雨は長くは続かなくて、早くも6月17日には梅雨明け宣言がさ...
2022年6月28日の今日、守谷市の最高気温は、昨日より更に高い38℃を記録した。朝から家中のクーラーを点けっぱなしである。冷蔵庫には2日ほど困らないくらいのストックはあることを確認して、今日も買物に出かけることは中止...
昨夜は、茨城県南の守谷市でも最高気温36℃という、今年になって一番の数字が出た。買物も行かなかったが、こんな時、夫の畑の大量のポテトや胡瓜が大いに役立ってくれている。 今朝、黒ラブのノエルが元気がないように感じた...
舞へ舞へかたつぶり 作者不詳 舞へ舞へ蝸牛 まえまえかたつぶり 舞はぬものならば まわぬものならば 馬の子や牛の子に蹴ゑさせてん、 うまのこやうしのこにくえさせてん...
映画『昼顔』の主役を若い頃に演じたカトリーヌ・ドヌーヴは、プルーストの小説『失われた時を求めて』を映画化した『見出された時』にも登場していた。『見出された時』では、カトリーヌ・ドヌーヴは中年を演じているのでなく、実際に...
畑仕事が好きな夫が、この地に越してきて最初にしたことが畑を借りて種まきをしたことであった。バラバラ、ドサッと蒔いていたら、お隣の畑のおばあちゃんやおじさんが、「土をやわらかくして、種はそっと蒔くんだよ」と、見かねて手を...
2022年6月21日の今日は夏至である。国立天文台のホームページによると、日の出は4時25分。日の入りは19時00分という。「夏至」とは、一年中で一番昼が長い日である。6時には夕方の気配ではあるが、まだ明るい。 昼間...
早朝の散歩で気づいたのが、広い空地に茂っている夏草に、朝露がいまにも落ちそうでいながら葉に留まっている、しとどの重たげな露である。「露」は秋の季語だから、今の季節に大丈夫かしら・・でも俳句に詠んでおきたい。 夏...
今日は6月の第3日曜日の「父の日」である。「母の日」を楽しく終えて、うっかり忘れそうになるのが父の日。でも娘がちゃんと覚えていてくれて、「うちのクマさんに何をプレゼントしようかな?」と、私に相談するでなく呟いていたが、...
今朝は、四時半には目覚めてしまった。散歩には早いかしらと思いつつ、犬に引かれるように外に出た。もう明るかった。家に戻ってから日の出の時刻を調べると、4時23分とあった。日の出とともに起きた朝であった。 いつもの畑...
数日前から仏壇の横には、なんとも柔らかな淡いブルーの大きな毬の紫陽花が活けてある。夫の丹精の畑に植えられている紫陽花である。花の色が少しずつ勢いをうしなってきたようだ。 「ねえ、アジサイの花って、しなっとなるだけで、...
お母さん業は、二人の子育てと、二頭の黒犬ラブラドール・・正確にはペットショップで目と目が合った一頭目の13歳まで生きたオペラと、常総市のブリーダーから直接求めた8歳のノエルである。オペラは人間の心にしっかり寄り添ってく...
「夏の蝶」の代表は大型の揚羽蝶で10種ほどいる。羽を拡げると10センチ以上ある蝶をいう。多くは黒と黄の複雑な模様で、真黒のもの、紫紺の色のものがいる。 夏の蝶の特色としては、大きくて色の強い揚羽蝶や烏蝶である。夏...
夫の畑では、今「胡瓜」が毎日のように穫れて、しかも一本が見事に長くて太い。「工夫して美味しく食べてくれよ!」と言うけれど、胡瓜は栄養価も高くはないし、煮物にも揚物にもならないし、サラダ系にしかならないから、工夫のしよう...
昨夜、梅雨の月が満月のように見えた。昼間の雷雨によって洗われた夜空は漆黒となり、月は金色であった。だがよく見ると、向かって左の部分がまだぼんやりしている。家に戻って調べると梅雨満月は14日の夜の21時頃だという。明日だ...
久しぶりに「千夜千句」を4日間、休ませていただいた。4日の休みは案外に短かったなあ・・第九百夜を書き終えて、「千夜」まで百夜あると思ったとき、残りの日々は「毎日+α」にしてみたい・・そうしなくてはという気分もあったが。...