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カテゴリー: 千夜千句

千夜千句

第六百九十三夜 中村汀女の「木犀」の句

Posted on 2021年10月8日 by mihohaiku

 茨城県守谷市の守谷駅近くの、国道294沿いの龍泉寺の入口に、2本の大きな金木犀がよい香りを放っている。ちょうど信号待ちでいることが多いので、地に落花した橙色を愉しみ、甘い香を愉しんでいる。    中国原産のモクセイ科の...

千夜千句

第六百九十二夜 長谷川登美の「ステッキ」の句

Posted on 2021年10月7日 by mihohaiku

   ステッキと文士       永井龍男      銀座について、あれこれ考えているうちに、私は妙なものをふと思い出した。  おそらく、遠い戦前に姿を消してしまったであろう、ステッキのことである。  それも明治大正の官...

千夜千句

第六百九十一夜 水原秋桜子の「啄木鳥」の句

Posted on 2021年10月6日 by mihohaiku

    秋と散歩       萩原朔太郎      前に私は「散歩」という字を使っているが、私の場合のは少しこの言葉に適合しない。いわんや近頃流行のハイキングなんかという、颯爽たる風情の歩き様をするのではない。多くの場合...

千夜千句

第六百九十夜 中田剛の「さくら咲く」の句

Posted on 2021年10月5日 by mihohaiku

 10月4日、このところ目の疲れからか、眼球が痛い。足や肩の疲れや痛みをほぐすように目頭を軽く押さえて市販の疲れ目用の目薬を点していた。だが効果はない。痛い所はおでこの真ん中あたりだ。  毎日、痛みをこぼしていたが、夫は...

千夜千句

第六百八十九夜 草間時彦の「茨の実」の句

Posted on 2021年10月3日 by mihohaiku

 今日は飯田蛇笏の忌日である。第五夜で〈をりとりてはらりとおもきすすきかな〉の句を紹介している。飯田蛇笏は、早稲田大学在学中の夏休みを高浜虚子の「俳諧散心」句会に最年少で参加。大正2年には、虚子が俳壇に復帰後の「ホトトギ...

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第六百八十八夜 三谷昭の「檸檬(レモン)」の句

Posted on 2021年10月2日 by mihohaiku

   レモンの冷たさ        梶井基次郎  いったい私はあの檸檬が好きだ。レモンエロウの絵具をチューブから搾り出して固めたようなあの単純な色も、それからあの丈の詰まった紡錘形の恰好も。――結局私はそれを一つだけ買う...

千夜千句

第六百八十七夜 深見けん二の「星祭る」の句

Posted on 2021年10月1日 by mihohaiku

 深見けん二先生が令和3年9月15日の夜の10時50分に亡くなられた。33年間のご師事であった。当時蝸牛社という出版社をしていたことから、俳書の編集を多く手掛けていたこともあって、平成8年には深見けん二著『虚子の天地』を...

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第六百八十六夜 糸山由紀子の「花すすき」の句

Posted on 2021年9月30日 by mihohaiku

 茨城県に住みはじめたのが23年前であろうか。1番に思ったことが、利根川を越えるとこんなにも薄(すすき)が生い茂っているということであった。薄は、なぜか好きで、突然薄が見たくなると車に飛び乗って、富士山麓まで走った。子ど...

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第六百八十五夜 草間時彦の「百日草」の句

Posted on 2021年9月29日 by mihohaiku

 牛久沼の高台にある小川芋銭の雲魚亭に行ったのはコロナ禍の始まる前であったので、もう2年はとうに過ぎている。この時期に行きたかったのは芋銭居の入口にある竹林と沼の崖を覆っている竹林の、「竹の春」を見たかったからである。 ...

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第六百八十四夜 能村研三の「秋雲」の句

Posted on 2021年9月28日 by mihohaiku

    まっすぐに行く         種田山頭火      「あなたは禅宗のお坊さんですか。・・私の道はどこにありましょうか」  「道は前にあります。まっすぐにお行きなさい」  私は或は路上問答を試みられたのかもしれな...

千夜千句

第六百八十三夜 高浜虚子の「萩」の句

Posted on 2021年9月27日 by mihohaiku

 水戸の偕楽園の萩まつりは、今年も昨年につづいて中止されるという。守谷に古い友人が集って始まった「円穹俳句会」は殆ど茨城県探訪をして8年間が過ぎた。その1つが偕楽園の萩まつりであった。20人ほどのメンバーは5台の車に分乗...

千夜千句

第六百八十二夜 高浜虚子の「野分」の句とその推敲 

Posted on 2021年9月26日 by mihohaiku

 2021年9月26日、台風16号は現在強い勢力で関東沖にあって、明日27日の朝には北上を続け、30日(木)頃からは進路をやや東よりに変えて、10月1日(金)にかけて伊豆諸島近海を通過する予想であるという。東京に隣接する...

千夜千句

第六百八十一夜 角川源義の「秋の海」の句

Posted on 2021年9月25日 by mihohaiku

    捕まえられそうだった夢    フィッツジェラルド       その昔の未知の世界のことを考え込んでいた時に、ふとわたしは、デイジーも家の桟橋の先端の緑色の燈火を初めて見つけ出した時の、ギャッツビーの驚嘆ぶりを想い...

千夜千句

第六百八十夜 遠藤寛子の「コスモス」の句

Posted on 2021年9月24日 by mihohaiku

 私の住む守谷市と取手市の境にある利根川の橋を越えると千葉県に入る。しばらく走るとあけぼの山農業公園があり、春はチューリップ畑、秋はコスモス畑となって一面に広がっている。  今年は10月2日から11月3日までコスモスウィ...

千夜千句

第六百七十九夜 高浜虚子の「秋の風」の句

Posted on 2021年9月23日 by mihohaiku

 今日は秋の彼岸の中日の秋分の日。昼夜が等分となる日で、これから次第に夜が長くなって冬至となる。      石を積む        別所梅之助        私どもが山へゆけば、案内者は道の心おぼえに、大きい石の上に小石...

千夜千句

第六百七十八夜 加藤知世子の「水澄む」の句

Posted on 2021年9月22日 by mihohaiku

 9月20日の敬老の日、つくば植物園に出かけた。現在、杖をついている私は、広大な園内の3分の1ほどしか見ることはできなかったが、これまでも、年に数回は行っている場所なので、今日のテーマである「水澄む」池や小流れの紹介はで...

千夜千句

第六百七十七夜 飯田龍太の「満月」の句

Posted on 2021年9月21日 by mihohaiku

 今日も秋晴の美しい1日となり、楽しみにしていた今宵は、茨城県常総市へ北上しながら、東側となる筑波山の方角に出る満月であった。18時04分、この瞬間をドライブしながら満月を見ることができた。晴天そのままの夜空には雲ひとつ...

千夜千句

第六百七十六夜 沢木欣一の「天の川」の句

Posted on 2021年9月20日 by mihohaiku

 見事に晴れ渡った1日であった。敬老の日の今日は、つくば植物園をぶらり散歩して、つくば市の洞峰公園脇のケーキ屋さんで久しぶりにのんびりした。美しい晴天のままに夜となり、今、東の窓から皓々としたまあるい月が上がっている。 ...

千夜千句

第六百七十五夜 小野靖彦の「月」の句

Posted on 2021年9月19日 by mihohaiku

 今日は、別のテーブルの上いっぱいに「千夜千句」に紹介したい句集を積んでおいた中の、小野靖彦さんの句集『霜の声』が目に飛び込んできた。  この句集は、残念ながら生前に出版することはできず、没後、奥様の小野チズ子さんが夫靖...

千夜千句

第六百七十四夜 大石雄鬼の「炬燵」の句

Posted on 2021年9月18日 by mihohaiku

 大石雄鬼(おおいし・ゆうき)さんにお会いしたのは、NHK松山のBS俳句王国に出演したときであった。主宰は倉田紘文先生で、私は2回目の出演であったので、1回目よりは緊張はなかった。無事に収録を終えて、羽田行の飛行機の出発...

千夜千句

第六百七十三夜 深見けん二の「春満月」の句

Posted on 2021年9月17日 by mihohaiku

 「花鳥来」主宰の深見けん二先生が、9月15日午後11時にご逝去されたというお知らせをいただいた。平成元年、私はNHKカルチャーセンターで先生に師事したことが俳句の初めで、「F氏の会」を経て「花鳥来」の会員となった。今年...

千夜千句

第六百七十二夜 高田風人子の「秋」の句

Posted on 2021年9月16日 by mihohaiku

 高田風人子(たかだ・ふうじんし)さんは、大正15年、神奈川県生まれ。昭和19年より「ホトトギス」に入会、34年に同人。昭和63年「惜春」を創刊、主宰。    高田風人子を知ったのは、私が深見けん二先生の「花鳥来」で学ん...

千夜千句

第六百七十一夜 深見けん二の「曼珠沙華」の句

Posted on 2021年9月15日 by mihohaiku

 昨日、道端で曼珠沙華を見かけていた。今朝の天候を確認し、夫が犬のノエルを連れて畑に行くや、お使いに行ってきまーす、とメモを残して出かけた。  茨城県守谷住まいは、東京と違って、道路が空いているから1人吟行は2時間もかけ...

千夜千句

第六百七十夜 山口青邨の「さわやかに」の句

Posted on 2021年9月14日 by mihohaiku

 漫画家赤塚不二夫の「ボクの居候文化論」の1部を紹介してみよう。    「ボクは”居候文化”というものがあり、そしてあり続けるべきだという信条をもっている。売れないヤツが売れているヤツのところに居候して、その間に学び、鍛...

千夜千句

第六百六十九夜 鍵和田秞子の「秋茄子」の句

Posted on 2021年9月13日 by mihohaiku

 夫の趣味から始まった畑では、今、秋茄子のピークである。スーパーで買うのとは違って、野菜が育ったら、育っただけどーんと畑から提げて帰るのがここ守谷に住んでからのわが家である。最初は、順番に少しずつ採ってきてねとお願いし、...

千夜千句

第六百六十八夜 長谷川かな女の「けら鳴く」の句

Posted on 2021年9月12日 by mihohaiku

 今日は、青森県出身の板画家。版画でなく「板画」である。「わだば、ゴッホになる」と目指した棟方志功の忌日である。  棟方志功の『板画華』より、「ないものを見る」の一文を紹介してみよう。    頭が3つもあったり、多いのは...

千夜千句

第六百六十七夜 阿波野青畝の「蓑虫」の句

Posted on 2021年9月11日 by mihohaiku

 蓑虫(ミノムシ)は、チョウ目・ミノガ科のガの幼虫。幼虫が作る巣が、藁(わら)で作った雨具「蓑(みの)」に形が似ているため、日本では「ミノムシ」と呼ばれるようになった。木の細枝や葉を綴り合せて灰褐色の巣を作る。枝からぶら...

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第六百六十六夜 深見けん二の「虫の世界」の句

Posted on 2021年9月10日 by mihohaiku

    虫しぐれ        清少納言   【43】 蟲は すずむし。ひぐらし。てふ。松蟲。きりぎりす。はたおり。われから。ひをむし。螢。  みのむし、いとあはれなり。鬼の生みたりければ、親に似てこれらおそろしき心あら...

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第六百六十五夜 山口青邨の「菊咲けり」の句 

Posted on 2021年9月9日 by mihohaiku

 今日は、陰暦9月9日の重陽の節句である。「重陽の節句」は平安時代の初めに中国より伝わったもので、古来中国では、奇数は縁起が良い「陽数」、偶数は縁起の悪い「陰数」と考えられ、陽数の最大値である「9」が重なる9月9日を「重...

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第六百六十四夜 正岡子規の「露ちる」の句

Posted on 2021年9月8日 by mihohaiku

 今年は、お盆の頃の猛暑が過ぎるや、雨の日がつづき、気温は下がり、このまま秋本番の涼しさとなりそうな気配である。  秋を色で表現すると、昔から白で白秋としてきた。芭蕉も〈石山のいしより白し秋のかぜ〉と、秋を白と詠んでいる...

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第六百六十三夜 川端茅舎の「金剛の露」の句

Posted on 2021年9月7日 by mihohaiku

 俳句を楽しんでいた父が生きていて、よく早朝一緒に吟行に行っていた頃のことである。その年は、曼珠沙華が見たくて、埼玉県高麗の巾着田に出かけた。1度目は、少し早すぎて3割くらいの花であった。どうしても巾着田が真っ赤に埋まる...

千夜千句

第六百六十二夜 佐藤和夫の「竹の春」の句

Posted on 2021年9月6日 by mihohaiku

 今日は、国民栄誉賞の日。日本の内閣総理大臣表彰のひとつ。賞の運用は1977年(昭和52年)8月に定められた国民栄誉賞表彰規程に従って行われ、当時の首相・福田赳夫により創設され、「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与...

千夜千句

第六百六十一夜 西東三鬼の「石榴」の句

Posted on 2021年9月4日 by mihohaiku

 小石川植物園で石榴の可憐な花を見かけたのが最初で、次に見たのが、ぱっくり割れた石榴から真っ赤な粒粒の零れんばかりの実だった。花と実の2つの落差は大きかった。  守谷でも見かけた。肥育から加工、販売に至る「一貫システム」...

千夜千句

第六百六十夜 飯田龍太の「栗打つ」の句

Posted on 2021年9月3日 by mihohaiku

 私は、東京オリンピックを2回観ている。1回目は1964年大学1年生の時、2回目は今回2021年の「東京オリンピック2020」だ。コロナの影響で1年遅れになっているが「2020」のままの命名である。  パラリンピックをこ...

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第六百五十九夜 角川春樹の「鴈(がん)」の句

Posted on 2021年9月2日 by mihohaiku

 わが守谷市から、東へ東へ車を走らせて龍ヶ崎市を越え、競馬の美浦トレーニングセンターを越えた辺りに、霞ヶ浦が見渡せる原っぱが広がっている。原っぱは稲刈りの済んだ田んぼであった。広い水路があり、うつくしい流れであった。田ん...

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第六百五十八夜 松尾芭蕉の「名月」の句 2

Posted on 2021年9月1日 by mihohaiku

 昨夜の第六百五十七夜に続いて、今宵は、高浜虚子の新作能「奥の細道」の中入と後場を紹介してみよう。    ■中入・夕顔という遊女    中入(なかいり)とは、能の間狂言のことで、シテ方が舞台を去った後に狂言方があらすじを...

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第六百五十七夜 松尾芭蕉の「萩と月」の句 1

Posted on 2021年8月31日 by mihohaiku

第六百五十七夜 松尾芭蕉の「萩と月」の句 ★スミ 能「奥の細道」を読む 1・芭蕉と虚子  新作能「奥の細道」は、昭和18年の芭蕉二百五十年忌記念作品として、日本放送協会と日本文学報国会依嘱により書いたもので、虚子は他に、...

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第六百五十六夜 深見けん二の「赤蜻蛉」の句

Posted on 2021年8月30日 by mihohaiku

 東京練馬区に住んでいる頃のことだ。車で10分ほどのところに光が丘公園がある。  光が丘公園は、第二次世界大戦中は特攻隊の出撃基地ともなった成増飛行場があり、戦後は米軍基地となり、米軍の家族住居・グランドハイツがあった。...

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第六百五十五夜 高浜虚子の「百日紅」の句

Posted on 2021年8月29日 by mihohaiku

 1862年8月29日の今日は、メーテルリンクの誕生日。久しぶりに、岩波少年文庫の『青い鳥』を出して読んだ。大人の小説も、少年少女小説も絵本も同じように、深さがあり、考えさせられることの多さを思った。  「思い出の国」か...

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第六百五十四夜 正岡子規の「鶏頭」の句

Posted on 2021年8月28日 by mihohaiku

 1963年8月28日は、リンカーン記念堂の前でマーティン・ルーサー・キング・ジュニア(キング牧師)が演説を行った日である。   アメリカ合衆国のプロテスタントバプテスト派の牧師で、キング牧師(キングぼくし)の名で知られ...

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第六百五十三夜 伊藤翠柳の「冬晴」の句

Posted on 2021年8月27日 by mihohaiku

 深見けん二先生の「花鳥来」で、初めて伊藤翠柳さんにお会いしたのは平成元年であったと思う。昭和4年生まれの翠柳さんは、当時60歳で昭和20年の私は43歳。「花鳥来」第1回目の稽古会は平成3年の秩父吟行であった。翠柳さんは...

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第六百五十二夜 下村梅子の「釣舟草」の句

Posted on 2021年8月26日 by mihohaiku

 釣舟草の群生に出合ったのは、山形県上ノ山市蔵王に住む陶芸家岡崎隆雄の「不忘窯」に行った時である。大学時代からの友人のムチョこと相澤紘子さんは山形県の生まれ。小学生の頃まで住んだ山形県は、戦後の疎開のためであった。岡崎隆...

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第六百五十一夜 角川春樹の「新松子」の句

Posted on 2021年8月25日 by mihohaiku

 1844年8月25日は、ニーチェが56歳で死んだ日である。フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェとは、ドイツ・プロイセン王国出身の哲学者、古典文献学者。  『毎日楽しむ 名文365』を編集したあらきみほは、この中に、ニー...

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第六百五十夜 あらきみほの「春の愁ひ」の句

Posted on 2021年8月24日 by mihohaiku

 平成11年の2月11日、牡丹雪の霏々と降りしきる早春の夕方、ペットショップから段ボール箱に入れられて黒いラブラドール・リトリバーの仔犬がわが家にやってきた。お姉さんがペットショップを探し回り、下調べをし、この黒ラブに出...

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第六百四十九夜 原石鼎の「花影婆娑と」の句

Posted on 2021年8月23日 by mihohaiku

 小学生の夏休みは、午前中に夏の課題の宿題を終えてしまうと、お昼からは、毎日のように女の子の私でも鉄砲玉のように家を出たら夕方まで、友だちの家で過ごしていた。もちろん、わが家が遊び場となる日もあったが、ずうっと居ても過ご...

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第六百四十八夜 星川和子の「寒椿」の句

Posted on 2021年8月22日 by mihohaiku

 茨城県守谷に転居して、平成15年に生まれたのが「円穹俳句会」であった。東京時代の私の旧友の片山和子さんご夫妻が声をかけてくださり、守谷市中央公民館、中央図書館が主な句会場となって14名から最終的には20名の句会を行うこ...

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第六百四十七夜 富安風生の「露草」の句

Posted on 2021年8月21日 by mihohaiku

 露草(ツユクサ)は、よく見ると不思議な形の花である。2枚の緑色の苞葉(ほうば)にはさまれるようにして目の覚めるような青色で、小さなシジミチョウのような形をしている。花の命は半日ほどで、お昼過ぎにはもうこの花の形は消えて...

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第六百四十六夜 高浜虚子の「流星」の句

Posted on 2021年8月20日 by mihohaiku

 小学校時代からの友人・知ちゃんは、高校1年の春休み、当時、お兄さんの東工大の山小屋のあるスキー場に誘ってくれた。吾妻郡嬬恋村の旧鹿沢温泉スキー場(現在は北軽井沢スキー場)で、私はいくつかの初体験をした。    1つ目は...

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第六百四十五夜 清崎敏郎の「天の川」の句

Posted on 2021年8月19日 by mihohaiku

 わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとおった風を食べ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。  またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗...

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第六百四十四夜 高浜虚子の「貴船の芒」の句

Posted on 2021年8月18日 by mihohaiku

   石仏のあたり     堀 辰雄      --そんな笹むらのなかの何でもない石仏だが、その村でひと夏を過ごしているうちに、いつかその石仏のあるあたりが、それまで一度もそういったものに心を寄せたことのない私にも、その...

千夜千句

第六百四十三夜 栗島弘の「夏葱」の句

Posted on 2021年8月17日 by mihohaiku

 栗島弘さんを知ったのは、この8月の初め頃。深見けん二先生の「花鳥来」にともに所属している浦部熾さんからのハガキに書かれた作品1句がきっかけであった。栗島弘さんは黒田杏子先生の「藍生」の会員であり、浦部熾さんも「藍生」の...

千夜千句

第六百四十二夜 山口誓子の「大文字」の句

Posted on 2021年8月17日 by mihohaiku

 もう50年も前になる。中学校の夏季学校で、箱根の強羅に一泊したことがあった。すっかり忘れていたが、大文字焼きが行なわれる山の名は、大文字山(明星ケ岳)という。私たちが見たのは、16日の夜の大文字焼きではなく、法被姿の男...

千夜千句

第六百四十一夜 松尾芭蕉の「玉祭」の句

Posted on 2021年8月16日 by mihohaiku

 今日8月15日は、盂蘭盆会(お盆)の中日である。私の夫の家は熱心な浄土真宗の信者で、私よりも夫の方が仏事のことはきちんと手配してくれる。  私は、小学校からプロテスタントの井草教会に通い、青山学院高等部では、毎日30分...

千夜千句

第六百四十夜 山口誓子の「秋の雨」の句

Posted on 2021年8月14日 by mihohaiku

 線状降水帯(せんじょうこうすいたい)は、「次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群(せきらんうんぐん)によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞(ていたい)することで作り出される...

千夜千句

第六百三十九夜 芝不器男の「夜雨の葛」の句

Posted on 2021年8月13日 by mihohaiku

 葛の花の短歌といえば、釈迢空の「葛の花踏みしだかれて色あたらし この山道を行きし人あり」がある。釈迢空の本名は折口信夫。民俗学、国文学に多大な業績を残している。この短歌も、その民俗学に裏付けられた独自の歌風である。  ...

千夜千句

第六百三十八夜 内藤吐天の「鰯雲」の句

Posted on 2021年8月12日 by mihohaiku

 鰯雲は、一面見渡すことのできるような、広い場所で見上げるのが好きである。例えば、ハイウェイを走っている時、太平洋の海を眺める時など、大空いっぱいに白い小石が散らばっているようであり、やわらかな白い綿毛が浮かんでいるよう...

千夜千句

第六百三十七夜 深見けん二の「花火」の句

Posted on 2021年8月11日 by mihohaiku

 「前畑ガンバレ」は、私が、昭和20(1945)年に生まれたときより6年前の1939年8月11日に行われたベルリンオリンピックの女子200メートル平泳ぎで優勝した前畑秀子のことである。ゲネンゲル選手とデッドヒートを最後ま...

千夜千句

第六百三十六夜 杉田久女の「朝顔」の句

Posted on 2021年8月10日 by mihohaiku

   一輪の朝顔             岡倉覚三    花物語は尽きないが、もう一つだけ語ることにしよう。十六世紀には、朝顔はまだわれわれには珍しかった。利休は庭全体にそれを植えさせて、丹精こめて培養した。利休の朝顔の...

千夜千句

第六百三十五夜 下村ひろしの「原爆忌」の句

Posted on 2021年8月9日 by mihohaiku

 今日、8月9日は長崎原爆記念日である。午前11時02分の黙祷にテレビを見ながら手を合わせた。その後ネットで検索すると、朝日新聞DIGITAL「ナガサキ・フィルムの記憶」の写真と出合った。    もう50年前、私が3年間...

千夜千句

第六百三十四夜 加藤楸邨の「蟷螂」の句

Posted on 2021年8月8日 by mihohaiku

 石神井公園の近くに住んでいた頃のことだ。夕方になると、子どもは何やかや手に掴んで帰ってくる。その日は、3センチほどの白い泡の塊のついた小枝であった。初めて見るもので、美しい塊なので、玄関の靴箱の上にガラス瓶も置いて挿し...

千夜千句

第六百三十三夜 松本たかしの「今朝の秋」

Posted on 2021年8月7日 by mihohaiku

 令和3年の立秋は、今日の8月7日だが、だいたい、8月7日か8日頃である。  古今集に藤原敏行の〈秋来ぬと目にはさやかに見えねども風のおとにぞおどろかれぬる〉があるように、土用が明けて、まだ暑い盛りだが、風の音にももう秋...

千夜千句

第六百三十二夜 竹下陶子の「原爆忌」の句

Posted on 2021年8月6日 by mihohaiku

 後になれば、早くしておけばよかった、止めておけばよかったという経験は誰にも、幾らでもあるだろう。  今日、76年前の令和3年8月6日は、広島に原爆が落とされた日。  そして原爆が広島に落ちる前の昭和20年7月26日には...

千夜千句

第六百三十一夜 原石鼎の「夜の秋」の句

Posted on 2021年8月5日 by mihohaiku

 夏の季語「夜の秋」は、秋の季語「秋の夜」とは違う。夏も終わりになると、夜は涼味が増し、虫の音も聞こえはじめて、秋のように感じることを言うもので、俳人が生み出した季語なのである。    俳句では、令和3年で言えば、8月7...

千夜千句

第六百三十夜 与謝蕪村の「草いきれ」の句

Posted on 2021年8月4日 by mihohaiku

 「草いきれ」とは、夏草の叢が、炎日に灼かれて、むせるような匂いと湿気とを発するのをいう。「草いきり」「草の息」とも言い、「いきれ」とは、蒸されるような熱気である。  「草いきれ」または「草いきり」などとして、江戸時代の...

千夜千句

第六百二十九夜 山口青邨の「桜病葉」の句

Posted on 2021年8月3日 by mihohaiku

 8時頃、焼きたてのパンを買いに取手に向かった。守谷市から国道を東に向かう道だ。桜並木があるところ、銀杏並木があるところ、15キロの国道を30分ほど走るのは楽しい。    桜並木は、7月くらいから黄色い葉が混ざっている。...

千夜千句

第六百二十八夜 吉井まさ江の「秋の水」の句

Posted on 2021年8月2日 by mihohaiku

 吉井まさ江さんは、平成3年にNHK光が丘俳句教室に入会し、深見けん二先生に師事。斎藤夏風先生の「屋根」に入会。平成6年に「花鳥来」に入会され、現在は斎藤夏風先生没後を継いだ染谷秀雄氏の「秀」の同人である。  「花鳥来」...

千夜千句

第六百二十七夜 与謝蕪村の「涼しさや」の句

Posted on 2021年8月1日 by mihohaiku

    ア、秋         太宰 治  秋ハ夏ト同時ニヤッテ来ル、と書いてある。  夏の中に、秋がこっそり隠れて、もはや来ているのであるが、人は、炎熱にだまされて、それを見破ることが出来ぬ。耳を澄まして注意をしている...

千夜千句

第六百二十六夜 高柳重信の「虹の絶巓」の句

Posted on 2021年7月31日 by mihohaiku

 高浜虚子の小説に「虹」がある。俳句の弟子でもある森田愛子が病気になって母の住む福井県三国へ戻っていた。虚子は、「ホトトギス」六百号の記念大会に地方を回っていたが、その途次、見舞い方々愛子居に立ち寄った。師・虚子にむかう...

千夜千句

第六百二十五夜 原石鼎の「落し文」の句

Posted on 2021年7月30日 by mihohaiku

 2020年の8月、長崎県島原の夫の生地を娘と訪ねたときのこと。夫の妹夫婦の案内で島原城を囲むように武家屋敷が並び、今も住んでいる屋敷もあった。  島原城を築いたのは有馬晴信の後の松倉重政で、戦にも民にとってもよく考えら...

千夜千句

第六百二十四夜 山口誓子の「夕焼けて」の句

Posted on 2021年7月29日 by mihohaiku

   名優の台詞       宇野信夫  六代目菊五郎の亡くなる3、4日前、元の支配人の牧野という老人が見舞いに来た。見ると、六代目はもう口をきくこともできない。牧野老人は六代目の手をとって、思わず声をあげて泣いてしまう...

千夜千句

第六百二十三夜 今瀬剛一の「サングラス」の句

Posted on 2021年7月28日 by mihohaiku

 今、オリンピック「東京2020」の真っ最中。卓球の水谷隼(みずたに・じゅん)と伊藤美誠(いとう・みま)選手の混合ダブルスで金メダルを獲った試合を観たときに、水谷隼のサングラスに注目した。まず、室内競技なのに何故サングラ...

千夜千句

第六百二十二夜 泉幸子さんの「誰かがゐる泉」の句

Posted on 2021年7月27日 by mihohaiku

 真夏の暑さのつづく頃になると、泉幸子さんのことを思い出す。数日前のことだ、私の目に、書棚の句文集『安らけし』が飛び込んできた。そうだった。  今日は平成25年(2013年)7月27日に67歳で亡くなられた泉幸子さんの命...

千夜千句

第六百二十一夜 松尾芭蕉の「雲の峰」の句

Posted on 2021年7月26日 by mihohaiku

 今日はポツダム宣言記念日。1945年7月26日の「ポツダム会議」において、大日本帝国に対して発した13条から成る降伏勧告の宣言。8月10日、大日本帝国は宣言の受諾を連合国側へ伝達。15日、玉音放送により太平洋戦争終結を...

千夜千句

第六百二十夜 林原耒井の「鈴虫」の句

Posted on 2021年7月25日 by mihohaiku

   夏                寺田寅彦    少年時代に昆虫標本の採集をしたことがある。夏休みは標本採集の書きいれ時なので、毎日捕虫網を肩にして旧城址の公園に出かけたものである。南国の炎天に蒸された樹林は「小さ...

千夜千句

第六百十九夜 高浜虚子の「夏帽振る」の句

Posted on 2021年7月24日 by mihohaiku

 外国映画に出てくる帽子をかぶった男性や女性たちのなんという素敵さ。アラン・ドロンが鏡に向かって、いちぶの隙もなく帽子の微調整をしていた映画のタイトルは何だっただろう。    日本人の帽子の歴史は西洋と比べれば遥かに短い...

千夜千句

第六百十八夜 山口誓子の「プール」の句

Posted on 2021年7月23日 by mihohaiku

 2021年の休日カレンダーは、東京オリンピック開催のため、「海の日」は7月22日、「スポーツの日」は7月23日、「山の日」は8月8日に移動となり、本日7月23日は、本来は10月11日であった「スポーツの日」が、前倒しと...

千夜千句

第六百十七夜 吉野義子の「浴衣」の句

Posted on 2021年7月23日 by mihohaiku

 今日は「下駄の日」。田捨女(おくせんぼん)でん・すてじょ)の〈雪の朝二の字二の字の下駄のあと〉の句を思い出した。  昨日は、BSテレビの番組で桐下駄を採り上げていた。私は和服を着ないので詳しくはないが、番組の桐下駄はジ...

千夜千句

第六百十六夜 相生垣瓜人の「風死す」の句

Posted on 2021年7月21日 by mihohaiku

 例句にはどんなものがあるか、探している間に気づいたことがあった。「風死す」を季題としていない歳時記や季寄せが多かったことだ。  「風死す」は、夏の盛りの中、風が少しでも吹けば心地良いものだが、風がぴたりと止むと、耐えら...

千夜千句

第六百十五夜 あらきみほの「月下美人」の句

Posted on 2021年7月20日 by mihohaiku

 アポロ11号は1969年7月16日にケネディ宇宙センターから打ち上げられた。アポロ計画で5番目の有人ミッションで、人類最初の有人月着陸ミッション。アームストロング船長は、アポロの着陸地点を「静かの海基地(Tranqui...

千夜千句

第六百十四夜 青木月斗の「雹(ひょう)の句

Posted on 2021年7月19日 by mihohaiku

 昨日の、NHK日曜美術館で「ホリヒロシの世界」を観た。最初にホリ・ヒロシの舞台を観に行ったのは平成時代の初め頃だから30年近く前になる。ご一緒したのは、折々に新しい世界を覗かせてくれる大先輩の方。  ホリ・ヒロシは昭和...

千夜千句

第六百十三夜 松本たかしの「羅(うすもの)」の句

Posted on 2021年7月18日 by mihohaiku

   心の方向を静かに顧みよ     佐伯泉澄      愚においては毒となり、智においては薬となる。   かるがゆえに「よく迷い、またよく悟る」という。     何年も誤って使うと毒となって、自分も他人も傷つける働きを...

千夜千句

第六百十二夜 高野素十の「てんたう虫」の句

Posted on 2021年7月17日 by mihohaiku

 てんとう虫を天道虫と表記するが、「天道とは太陽や天の神、天の道、天の理」などの意味があり、てんとう虫は太陽神の使いとして、これから起こる幸運など天からのメッセージを運ぶために、目の前に現れたりすることがあるいう。  子...

千夜千句

第六百十一夜 角川源義の「出雲の雷」の句

Posted on 2021年7月16日 by mihohaiku

 今日7月16日は、関東地方でも梅雨明け宣言となった。なかなかの荒梅雨で、豪雨、雷雨、雷光と、激しい天候であったが、いつまで続くのかなあ、と思っていたら、「梅雨明け宣言が出たー!」    今宵は、季題「雷」の作品を見てゆ...

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第六百十夜 川端茅舎の「向日葵の目」の句

Posted on 2021年7月15日 by mihohaiku

 1970年9月に日本で初公開されたイタリア映画「ひまわり」を思い出した。年子が生まれたばかりであったが、私の映画好きを知っている母は子守りと留守番を買って出てくれた。最近はテレビで観てしまうが、映画は映画館の大スクリー...

千夜千句

第六百九夜 福田蓼汀の「ダリア大輪」の句

Posted on 2021年7月14日 by mihohaiku

 新宿京王ホテルで、友人と展覧会を観た後のホテル内をぶらぶら歩きながらフラワーショップを覗いた時、ダリアに出合った。今まで一度も見たことがないほどの、大きな大きな白いダリアであった。それ以来、花束を差し上げる時には、大き...

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第六百八夜 下田実花の「ソーダ水」の句

Posted on 2021年7月13日 by mihohaiku

 ソーダ水やラムネは大正時代には既に飲まれていたという。コーラが若者の飲み物として最初に現れたのは、戦前のアメリカ合衆国であったが、日本では、昭和35年(1960)」の頃にコカ・コーラブームがはじまったという。昭和20年...

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第六百七夜 皿井旭川の「蜘蛛のいきどおり」の句

Posted on 2021年7月11日 by mihohaiku

 今日の午後、茨城県南部から千葉県北西部にかけて、激しい雷、雷光、豪雨が2時間ほどつづいたろうか。やりかけていた仕事は中断しテレビも消して、夫も私も、東南側から西側の窓のカーテンを全開にして、眺めていた。犬のノエルは玄関...

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第六百六夜 深見けん二の「四万六千日」の句

Posted on 2021年7月10日 by mihohaiku

 7月の9日、10日は東京浅草観音の縁日で、境内に青鬼灯を商う市が立つ。これが鬼灯市で、買い求めた鬼灯の鉢を提げて歩く風情は捨てがたい。この日にお参りすると一日で四万六千日分の御利益があるといい、参詣人で賑わう。  元は...

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第六百五夜 高野素十の「百合の前」の句

Posted on 2021年7月9日 by mihohaiku

 もう20年ほど前になるが、真夜中に東京練馬を出発して東北道を走り、福島を過ぎてしばらくゆくと、確かハイウェイの車線は2車線に減っていたと思う。中尊寺へ近くなり、夜も白みはじめると、東北道の脇に植えられたものであろうか百...

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第六百四夜 松本たかしの「桜貝」の句

Posted on 2021年7月8日 by mihohaiku

 真夏の浜辺ではなく、たとえば5月の頃の浜辺へ行くと、私たち以外には人っ子一人いないことがある。ドライブも早朝に目的地に着くように走るので、まだ誰も踏んでいない砂浜を歩くことになる。    フランスの詩人ジャン・コクトー...

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第六百三夜 松本たかしの「金魚大輪」の句

Posted on 2021年7月7日 by mihohaiku

 今日7月7日は七夕の日。俳句の季題では陰暦にしたがって8月7日に祭として行われるが、子が幼稚園や小学校の頃には、太陽暦にしたがって暦どおりの7月7日に行われた。学校行事でも夏休み前の楽しい行事であったが、わが家では、元...

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第六百二夜 山口青邨の「玉葱」の句

Posted on 2021年7月6日 by mihohaiku

 7月6日は、サラダ記念日。歌人俵万智(たわら・まち)の第1歌集『サラダ記念日』は300万部の大ベストセラー。タイトルになった作品は、「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」である。  こうした記念日は...

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第六百一夜 飯島晴子の「赫い梨」の句

Posted on 2021年7月5日 by mihohaiku

 日本の現代美術家であり世界に活躍する芸術家である宮島達男さんが、なんと、私の住む茨城県守谷市の住人であることを知って10年ほどになる。守谷市の友人がある時、宮島達男展に案内してくれた。どこの美術館だったか或いは自宅の展...

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第六百夜 川端茅舎の「朴散華」の句

Posted on 2021年7月4日 by mihohaiku

 川端茅舎は1897(明治30)年東京日本橋の生まれ。画家の川端龍子は12歳上の異母兄である。当初は医学を目指していた茅舎は、大正4年、進学を諦めて藤島武二絵画研究所に通いはじめる。後、岸田劉生に師事した。  俳句は、大...

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第五百九十九夜 松本たかしの「睡蓮」の句

Posted on 2021年7月3日 by mihohaiku

 昨夜書いた石神井公園の睡蓮は、私たちが東京の練馬区に住んでいた頃で、30年近く前に書いたものである。当時は、石神井公園の三宝寺池の西側の岸辺に沿ってまあるく睡蓮の座ができていた。最近の様子をネットで検索してみると、現在...

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第五百九十八夜 あらきみほの「睡蓮」の句

Posted on 2021年7月2日 by mihohaiku

 今宵は、かつて書いたつれづれ俳句から「睡蓮に思う」を見ていただくことにする。 つれづれ俳句 睡蓮に想う  六月のある日曜日、そろそろかなと夫を誘って、石神井公園へ睡蓮の花を見に出かけた。睡蓮は別名未草(ひつじぐさ)とも...

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第五百九十七夜 高浜虚子の「夏山」の句

Posted on 2021年7月1日 by mihohaiku

 7月1日は「山開(やまびらき)」の日。去年はコロナの影響で行われなかった富士山の山開が、山梨県側で早朝の午前3時に行われたというニュースが流れた。7月1日から9月10日までの夏山シーズン中に、入口や5合目、山小屋などが...

千夜千句

第五百九十六夜 深見けん二の「茅の輪」の句

Posted on 2021年6月30日 by mihohaiku

 6月30日は夏越の祓の日。深見けん二先生の龍子奥様は何かの折に、可愛らしいプレゼントをくださる。その1つに茅の輪の置物があった。  プロテスタント育ちということもあって、私は仏教にかなり疎いのだが、俳句を志すのであれば...

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第五百九十五夜 高浜虚子の「麦笛」の句

Posted on 2021年6月29日 by mihohaiku

 草矢も、草笛や麦笛も、小学校の頃に遊んだ記憶がある。当時住んでいた杉並区は東京でも郊外で、道路がアスファルトになったのは大部後のことで、水田があり麦畑があり、森や林があり、野原があり小川の流れもあった。    子どもの...

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第五百九十四夜 島津 亮の「蚕豆むく」の句

Posted on 2021年6月28日 by mihohaiku

   夏の畑仕事               徳富蘆花      空ではまだ雲雀(ひばり)が根気よく鳴いて居る。村の木立の中では、何時の間にか栗の花が咲いて居る。田圃の小川では、葭切(よしきり)が口やかましく終日騒いで居...

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