第九百三夜 高浜虚子の「胡瓜」の句

 夫の畑では、今「胡瓜」が毎日のように穫れて、しかも一本が見事に長くて太い。「工夫して美味しく食べてくれよ!」と言うけれど、胡瓜は栄養価も高くはないし、煮物にも揚物にもならないし、サラダ系にしかならないから、工夫のしよう...

第九百夜 松尾芭蕉の「夏草」の句

 今宵は、「千夜千句」の第九百夜である。「千夜千句」というタイトルは、じつは松岡正剛さんがご自身のブログ『千夜千冊』の中で、あらきみほ編著『子ども俳句歳時記』を取り上げてくださったことがきっかけである。タイトル「千夜千句...

 睡蓮があったかしらと確かめたくて、守谷市の四季の里公園に行ってきた。この公園はあやめと花菖蒲が主で、今の時期は花菖蒲が満開であったが、守谷市の四季の香公園には睡蓮がないことが分かった。    折角なので、池の真ん中まで...

第八百九十八夜 武蔵野探勝のこと

 今宵は、武蔵野探勝について書いてみよう。武蔵野探勝会というのは、虚子の「ホトトギス」が始めた最初の吟行句会である。それまでも、各々では、自然に親しみ、旅をしたりして作句をしていたのではあるが、句会としては、運座と呼ばれ...

第八百七十夜 中村汀女の「幟」の句

  火を盗め     なだいなだ  パパはお前たちに「盗め」という。しかしこれは至極まじめな話なのである。死んだ人間からであろうと、生きた人間からであろうと、その胸から火を盗め。人間は、他の人間の胸の中に燃えている鬼火の...