第四百九十三夜 松本たかしの「鳥交る」の句
鳥はおおむね年に一回、春に繁殖期に入る。交尾期になると、囀ったり、嘴をふれ合ったり、毛色が変わったりなど、雄が雌を誘う動作をする。 雄の孔雀が雌の前で尾をひろげたり、雄の駱駝がおどってみせることもある。鶴の舞も、雄が...
鳥はおおむね年に一回、春に繁殖期に入る。交尾期になると、囀ったり、嘴をふれ合ったり、毛色が変わったりなど、雄が雌を誘う動作をする。 雄の孔雀が雌の前で尾をひろげたり、雄の駱駝がおどってみせることもある。鶴の舞も、雄が...
「春温を病む」という言い方を知った。昔からある言葉であるという。初めて知ったのは、平沼洋司著『気象歳時記』蝸牛社刊であった。一部を紹介させて頂く。 桜前線が順調に北上して春本番の季節である。春は気温も上昇し花も...
3月17日の今日は彼岸の入である。今年は桜の開花も例年より数日早くて、東京では3月14日に開花宣言された。開花後に冷え込むことは例年のことで、温暖化ということもあるのだろうか、まだ急激な寒さは訪れていない。 暦の上の...
2日前の日曜日、古河総合公園という広い桃の園に出かけた。晴れわたった日であったが強い春嵐の日で、なだらかな丘の公園は、小さな子にとっては、走り回るというより転げ回れそうな格好の遊び場だ。 もう60年以上も前に子育てが...
昨日の3月14日の3時、東京都では開花宣言がなされた。各地で決められた標準木があるが、長いこと東京に住んでいたので、今でも、私の基準になっている。靖国神社の桜の標準木に5、6輪咲くと開花宣言となる。 ちなみに現在住ん...
今日は、昨日とは打って変わっての美しい晴天。朝食後に娘から「古河の桃を見に行こうよ。」と誘われて、桜の前に、見ておきたいと念じていたので、素早く用意をして車に飛びのった。 今年の「古河の桃祭り」は、コロナの影響で...
マサコ・ムトーさんの老の言葉を紹介しよう。長女で漫画家のトシコ・ムトー、次女で作詞家、作家のヒロコ・ムトーの母であるが、母マサコ・ムトーもまた、幾多の荒波を乗り越えて88歳で、豆紙人形作家として人生の大輪の花を咲かせた...
平成11年に、『気象俳句歳時記』を蝸牛社から出版した。著者の平沼洋司氏は気象予報士。中に登場する季節の言葉は、俳句の季題とは又違っていて深くて楽しい。 毎回の文末に俳句を2、3句付けたのは、私あらきみほであった。 ...
今宵は、土肥あき子さんの代表作〈水温む鯨が海を選んだ日〉を考えてみようと思う。 じつは、2月4日の「千夜千句」第四百五十夜で土肥さんの作品の紹介をしていて、この作品が代表作であることも知っていたが、正直、よくわからな...
明日の3月11日は東日本大震災から10年目となる。外に出ると、あの大震災の翌朝に見た白い辛夷が蘇ったかのように咲き始めている。 テレビでは大分前から東日本大震災の映像が流れている。 大正12年9月1日には、東日...
土筆(つくし)は、小学生の頃に近くの野原でよく摘んだ。野原に目を凝らしてじっと見ているうちに、土筆の生えている流れが見えてくる。遊び仲間の数人で競争して手に持ちきれなくなるまで摘むと、家に駈けもどり、「こんなに採れたよ...
今日3月8日は、忠犬ハチ公の死亡した日だという。。調べてみると、生年月日は大正12年11月10日、なんと私の誕生日と同じである。朝から雨催いでちょっと鬱々していたので驚いた。 高校時代から大学まで渋谷駅を利用して...
流氷は、大河や海に氷塊が群れなして流れることだが、日本では普通、北海道のオホーツク海沿岸の流氷をイメージする。多く見られるのは春先の2月半ばから3月にかけて最も多くみられ、この間の流氷の流れは壮観である。 酷寒の北海...
大石陽次(おおいし・ようじ)という夫の大学時代の友人がいる。2人は仏文科と哲学科。2人は授業にはあまり出ず、小さな文芸サークルで詩や小文を書いていた。大学4年の教育実習生として夫と出会った私も、いつしか飲み会に参加する...
今日3月5日は啓蟄。地中に眠っていた蟻や地虫などが、暖かい気候になってその穴を出てくること。二十四節気のひとつで、ちょうど3月5日ころの虫類の穴を出る頃にあたる。 そして本日は、私たちの師である深見けん二先生の誕...
蚕のことは、4歳の時には大分県を離れているので、遠い記憶しか残っていない。 祖母が元気なころ、布団の綿を打ち直したり、布地を変えたりする際に、蚕の絹糸を焼海苔の大判のように伸したものを、布団綿の形に伸ばして整えて...
今日は3月3日、雛祭である。昨年の令和2年7月に私は、勝又洋子さんからお手紙を頂いた。 洋子さんの所属している3つの結社の1つ、岩岡中正主宰誌「阿蘇」7月号で、〈立雛のほのとまします影法師〉の作品がで巻頭になったという...
春もやがて中ば近くなってきた。タンポポは、道端にロゼット状の葉を広げていて立ち上がってはいないが、もうじき、タンポポの花の咲き出す季節になる。 ずっと気になっているのが稔典さんの「たんぽぽ」の句。春になれば思い出...
今日は、日本画家の小倉遊亀の誕生日。 小倉遊亀と稲木紫織氏のインタビュー『日本の貴婦人』から一部紹介させて頂く。 而生其心(にしょうごしん) ――どんな意味なのですか。 小倉 持っているものを捨て...
今日2月28日は、江戸初期の寛永14年10月25日に勃発した島原・天草一揆が、翌年の2月28日に終結した日である。 過重な年貢の負担に窮した、島原半島と天草諸島の島原藩と唐津藩の両領民が起こした乱の最期の舞台となったの...
昨夜の26日は、かなり丸かったので満月と思ったほどの朧月が出ていた。暦では、今宵が満月ということである。 本日2月27日は、江戸時代からあった小石川御薬園が、1875年、文部省所轄教育博物館附属・小石川植物園と改称さ...
高浜虚子の『立子へ抄』に「ほのぼのとした勇気」という1篇の文章がある。何回も書き写しているが、その度に勇気をもらっている。また、書いてみよう。 ほのぼのとした勇気 「あきらめ」という文章に書いたように、俳句という...
桑本螢生さんの生地国東市は、瀬戸内海の大分県側の海辺であり、つねに「海の響」は身近にあった。句集名の『海の響』は、ジャン・コクトーの1行詩「私の耳は貝の殻 海の響きを懐かしむ」(堀口大学訳詩集『月下の一群』)から採った...
ときどき、金子みすゞの詩が読みたくなる。「見えぬけれどもあるんだよ。見えぬものでもあるんだよ。」の心を、いつまでも忘れないように。 「日の光」の詩の一部を引用させて頂こう。 おてんと様のお使いが そろって空...
天皇誕生日(てんのうたんじょうび)は、日本の国民の祝日の一つである。日付は、第126代天皇徳仁の誕生日である2月23日で、令和2年(2020)以降2回めとなる。 今年は、コロナ禍の影響で、一般参賀もなく、天皇陛下お一...
昭和27年2月22日は、高浜虚子の78回目の誕生日である。 昭和25年7月には、虚子は眩暈を起こしたが1週間ほどで回復した。その年の12月中頃に、再び眩暈を起こした。「又少し頭を悪くして2週間ばかり寝ておりました...
馬酔木の花の咲く頃となった。馬酔木は、「あしび」とも「あせび」とも言う。 哲学者・評論家の土田杏村は「あしびの花」を、『花の名随筆2 二月の花』の中で次のように書いている。 馬酔木の花を見ると、大抵の人が少しさ...
陽暦2月20日、ちょうどこの頃は中国古来の天文学でいう七十二候に当たる。日本の二十四節気では雨水の初候。 この時期に獺(かわうそ)は、魚をよく捕えるが、すぐには食べずに岸に並べておく。それが、祭の供え物のように見える...
昨夜は寒の戻りのような寒さであったが、今朝の晴れわたった空の青さの美しいこと。畑に行きたがっていた夫を無理矢理に誘って、大喜びの犬のノエルを連れて、蛇沼の雑木林へ出かけた。 雑木林は、まだ木の芽が吹いていなくて、...
1930年2月18日、アメリカのアリゾナ州にあるローウェル天文台で助手であったクライド・トンボ―が、後に冥王星と命名される新惑星を発見した。明るさ15等星の小さな星は望遠鏡では見つけることはできないが、膨大な写真を検証...
「春一番」は、春になって最初に吹く強い南寄りの風のことで、2月末か3月初めの頃に吹く。一日中吹き荒れて「春風」の穏やかさはないが、この風で木の芽がほころぶ。船乗りや漁師が今でも使う風の名が一般に普及したもので日本海低気...
2月16日は日蓮大聖人御誕生会。そして今年は、承久4年(1222)に生まれた日蓮の生誕800年であるという。 日蓮(にちれん)は、鎌倉時代の仏教の僧。鎌倉仏教のひとつの日蓮宗(法華宗)の宗祖。 『日蓮のことば365...
昨夜は2月14日のバレンタインデー。浮かれる当てなどないのに浮かれた1日が終わり、私より先に私の枕で寝込んでしまった犬のノエルに「どいてネ」と言って、寝入った途端、ドーンと落ち込むような縦揺れの地震が起きた。 え...
2月14日の今日はバレンタインデー。ローマの司教、聖バレンタインが殉教した日であるが、アメリカに生まれた習慣からこの日は女性から恋を打ち明けてよい日となりチョコレートを贈る。 アメリカから入ってきたバレンタインデ...
「春の雪」は、春になって気温が上がってから降る雪は、結晶が融けかかっているため、たがいに密着し合って大きな雪片となり、積もっても溶けやすく、降るそばから消えるので淡雪ともいう。しかし、年によっては意外な大雪が積もり、思...
『立子へ抄』は、次女星野立子が主宰する「玉藻」に創刊号(昭和5年)から昭和34年まで30年間書き続けた「立子へ」は、俳句の作り方、読み方、折々の感懐、回想など虚子が興のおもむくままを記した俳話集。解説は今井千鶴子。 ...
『俳談』は、昭和18年、虚子の古希を記念して刊行された俳話集。大正14年から昭和15年にかけての「ホトトギス」座談会等での発言を抜粋したもので、俳論、文学的回想、身辺雑記など150余の短文からなる。座談の名手であった虚...
梅花の感じは、気品の感じである。 気品は、一の芳香である。眼にも見えず、耳にも聞えない。或る風格から発する香である。 (略) それはまた、梅花の気魄である。霜雪の寒さを凌ぎ、自らの力で花を開き、春に魁けして微笑み...
上村松園は、明治生まれの日本画家で、「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵」を念願として、女性の目を通して女性を描き続けた。代表作に『焔』『序の舞』他。 著書に『青眉抄』がある。その中の「友...
大串章氏の作品は、1年近く前の3月20日の「千夜千句」第百三十二夜で紹介させていただいた。第3句集『百鳥』が上梓されたころであった。 平成9年、蝸牛社から刊行した俳句・背景シリーズ9巻目に、大串章氏は『抒情の曠野』を...
中西夕紀さんより戴いていた『朝涼』を、久しぶりに繙いてみた。お若い方と思っていたが、既に、本著は第3句集であり、俳誌「都市」の主宰者であり、活躍されている作家であった。 『朝涼』のあとがきに、次のような印象的な文...
鈴木すぐるさんは、奥様の鈴木征子さんとご一緒に、深見けん二先生の「花鳥来」に入会されてからのお仲間である。 平成12年、「花鳥来」の忘年会でお会いして驚いたことを覚えている。というのは、その3年前の平成9年に蝸牛社か...
1936年(昭和9)2月5日は、日本職業野球連盟が設立された日で、「プロ野球の日」と定めた。7チームで初の社会人野球のリーグ戦が行われるようになった。 太平洋戦争が始まると日本野球報告会と改名し、野球用語英語使用禁止...
「猫の恋」の俳句を考えていたとき、もう随分と昔、平成19年刊の『あちこち草紙』を、友人の作家ヒロコ・ムトーさんから戴いていたことを思い出した。俳人の土肥あき子さんは句と文章、画家の森田あずみさんは猫の絵という三つのコラ...
今日2月3日は、令和3年立春である。よく晴れたうつくしい1日となり、気温は高目だが風が強く、空をゆく白雲が小舟のように流れていた。夕暮れの入り日はどうかしらと、外に出ると靄のかかった西空は濃いオレンジ色に染まっていた。...
くまさん まどみちお はるが きて めが さめて くまさん ぼんやり かんがえた さいているのは たんぽぽだが ええと ぼくは だれだっけ だれだっけ はるが きて めが さめ...
今日2月1日は、河東碧梧桐の忌日である。 平成4年(1992)、蝸牛社より滝井孝作監修・栗田靖編『碧梧桐全句集』を刊行した。大きなダンボール箱に瀧井孝作が出版の準備を整えてあった手書きの原稿は、娘の版画家小町谷新子さ...
1月23日につくば植物園に行ったときは、紅梅も白梅も「ああ、もう咲いている」というほどの咲き具合であった。今日は近くの守谷市の四季の里公園に立ち寄ってみた。つくば市よりも50キロほど南なので、もう咲いていると思っていた...
1月30日は、マハトマ・ガンディが1948年に暗殺された日である。イギリス植民地であったインドを、イギリスからの独立運動を指揮した。運動は一貫して「非暴力、不服従」であった。 1982年に映画『ガンジー』が日本で公開...
1月もあと2日となった。晴れた日には春がすぐそこまで来ていると思うが、昨日は寒くて、夕方には雪が降りはじめた。2時間ほどすると雪は積もることなく止んだ。夜には、星も瞬きはじめた。 平井照敏編『新歳時記』の「春隣」...
アメリカ合衆国のスペースシャトルの実験は1981年から2011年に135回打ち上げいる。1986年のチャレンジャー・スペースシャトル・オービタは10回目のミッションの打ち上げ中に爆発し、クルー7名全員が死亡。日系人のエ...
「世界ハンセン病の日」は、1月の最終日曜日と決められ、令和3年の今年は、1月31日である。回復者に対する偏見と差別を根絶するためのグローバル・アピールは、2006年以来、毎年世界ハンセン病の日に合わせて発表しているとい...
臼田亜浪(うすだ・あろう)は、明治12年(1879)-昭和26年(1951年)、長野の生まれ。法政大学卒。初め新聞界に入るが、俳誌『石楠』を創刊、主宰し、俳句に専念した。高浜虚子・大須賀乙字の影響を受けながら、独自の俳...
大屋達治氏の作品は、偶然だが猫の句を選んだ。大の猫好きの友人に、『猫の遺言状』『野良猫ムーチョ』などベストセラーの著書をもつヒロコ・ムトーさんがいて、猫の性格は、わが家の犬とは違って複雑で愉快そうなので、何冊か猫の本も...
一日一怒! この言葉を、私は同時代人のための「時代訓」にしたいと思う。もっと気軽に怒ろうではありませんか。 親父の尻を蹴っ飛ばし、 お役所仕事に噛みつき、 矛盾と不合理を殴り飛ばし、にっこり笑って、 ...
筑波山の麓にある筑波実験植物園(つくば植物園)に出かけた。9時の開園に入場したが、2人の園丁に出合っただけで誰ともすれ違うことがなかった。 入口の右側には梅の木があり、紅梅と白梅がちらほら咲き始めている。紅梅の蕾のふ...
雀は一年中見かけるが、厳寒には餌を求めて人家に近づく。朝日が赤々と登るころの電線には並んで止まっているかわいい姿を見かける。 食べたことはないが、若い頃の父から「今日、雀の焼鳥を食べたよ」と、聞いたことがある。現在、...
本日の早朝2時は、アメリカ合衆国では1月20日の正午であり、首都ワシントンで大統領就任式が行われ、民主党のジョー・バイデン氏が第46代大統領に就任した。カマラ・ハリス氏は、アメリカ初の女性でアフリカ系でアジア系の副大統...
令和3年20日の今日は大寒。昨日今日、名に違わぬ気温の低さと風の強さと寒さである。朝日と夕日の茜色は濃く美しく、下村非文に〈大寒の力いつぱい落つる日よ〉の句がある。 大正9年1月20日は、大須賀乙字の忌日である。...
「雪女」「雪女郎」「雪鬼」「雪坊主」「雪の精」と、俳句では詠まれているが、雪の夜に出るといわれる妖怪で、雪国にいろいろな話が伝えられている。江戸の歳時記『年浪草』には、「深山雪中、稀に女の皃(かお)を現ず。これを雪女と...
今朝の9時過ぎ、いつものようにスーパーへ買物に行こうと車のドアを開けようとしたとき、小雪がぱらぱらと降ってきた。曇天であったが、雪の予想はなかった。そのままフロントガラスに跳ねる白を楽しみながら店に入り、レジの人に、外...
平成23年、奥坂まやさんの第3句集『妣の国』を頂戴してから随分と経ってしまった。好きな作品に印をつけたまま、お礼状を出すことが出来ていたか定かではない。 久しぶりに手にとって、見てゆくと〈いつせいにマスクをはづす一家...
平成4年は、出版社蝸牛社が、『秀句三五〇選』シリーズ、『蝸牛 俳句文庫』シリーズ、『蝸牛 新季寄せ』などの俳書を多く手掛けていたころで、多くの俳人の方々の俳句を読んで、名句を集めていた。 正木浩一さんが、癌になって僅...
日本画家平山郁夫の著書『生かされて生きる』に、次の文章を見つけた。 スケッチは、対象物に自分をぶつけることが大切だ。無心になると言い換えてもいいし、無我夢中になると言ってもいい。あるいは集中して描くと言ってもいい...
令和3年の初場所は1月10日からスタートして、今日は5日目。2横綱の白鵬と鶴竜が休場中で、貴景勝と朝乃山と正代の3大関が今場所を牽引しなくてはならないのだが、3大関が揃って勝ったのは、5日目の今日が初めてである。 明...
今日は、BSテレビで、1945年制作のアメリカ映画『白い恐怖』を観た。監督は、アフフレッド・ヒッチコック、主演は、イングリッド・バーグマンとグレゴリー・ペック。原題の『Spellbound』には「魔法にかかった」「魅了...
寒の入となって小寒の最中。あれほど冬晴れの続いた正月が過ぎて間もなく寒波が訪れた。茨城県南は寒いだけだが、少し北側、少し山沿いにゆくと雪の影響がでている。 冬になり、お正月を過ぎたころから寒くなる。「おお、寒っ!...
石神井公園の三宝寺池の奥に池面に張り出すようにして辛夷の木がある。真冬なのに銀色の木の芽が出ていることに気づいたのは、やはり俳句を始めてからであった。 それからは、冬の雑木林や公園の寒林をゆくときは、木の芽も探すよう...
『エベレストを滑った男 冒険に生きる』は、日本のプロスキーヤー、登山家の三浦雄一郎の著書から、1970年、エベレストの山頂直下の8000メートルのサウスコルからスキーで、それもパラシュートによる滑降したときの、ヒラリー...
熊谷守一の『へたも絵のうち』を読んでいると、次の箇所が飛び込んできた。 二科の研究所の書生さんに「どうしたらいい絵がかけるか」と聞かれたときなど、私は「自分を生かす自然な絵をかけばいい」と答えていました。下品な人...
正月はいつまでを言うのか、と改めて問われると「7日までじゃない?」「えっ、15日までじゃない?」と、幾つかの答えが返ってくる。一応、松の内を正月と考えるのが大方であるが、昔は15日までを松の内としていたが、とくに関東で...
昭和21年羽田書店刊行の『小諸百句』は、昭和19年年9月から昭和21年10月までの約2年間に詠まれた百句を制作順でなく新年から順に並べてある。 『虚子五句集』の年代順に慣れた私には最初戸惑いがあったが、何度か読んでい...
俳句を始めたばかりのころ、侘助を知った。わが家の庭には椿が数本植えてあって椿は好きな花の1つである。好きな花を追いかけるのは、俳句のテーマとして追いかけるのだが、ある数年は落椿ばかりを追って、庭園や旧家の庭先など好きな...
高浜虚子は父親譲りの能楽好きで、鎌倉に仲間と一緒の能楽堂を建てたほどである。 虚子の愛弟子の深見けん二先生の「花鳥来」に入り、虚子俳句を鑑賞する機会を得た私は、能を知っておきたい、能舞台で観ておきたいと、集中して観に...
臘梅の花も、ちらほら咲き始めているころであろうか。関越自動車道の練馬インターの近くに住んでいたこともあって、私は、父を連れて秩父までよく走った。1月には、長瀞からロープウェイで宝登山ロウバイ園へ行った。 ロープウェイ...
今日は1月3日、箱根駅伝の2日目。母校の青山学院大学は、2004年に原晋(はら・すすむ)を監督に招聘し、2010年に初めてシード権を獲得。2015年の第91回箱根駅伝において、悲願の総合初優勝を成し遂げた。翌2016年...
今日は、新年の二日である。年末に暇がなくて年賀状はいつものように箱根駅伝をバックグラウンド-ミュージックに書き始めた。私の母校はこのところ連勝していた青山学院だが、今年の往路は残念な結果となった。 書き終えた賀状...
令和3年1月1日、お正月である。例年、初日の出を見に早起きをしているが、今年は何故か起きることができなかった。勢いが必要かもしれない。 コロナのニュースを目にしてからおよそ1年となる。 昨日、令和2年最後の日の東京...
今日は令和2年12月31日、大晦日。大三十日とも表記するということをすっかり忘れていた。一年の境目のこの日、年の夜、大年、年越、除夜と様々な呼び名がある。 仕事をしている私は、年末は片付けと新年の準備で慌ただしいのだ...
『虚子俳話』に「壺中の天地」という文章がある。終戦になった昭和20年、まだ小諸に疎開中であった虚子は、朝日新聞の俳壇の選者となった。隔週で、昭和30年からは評を加え、小俳話を合わせて載せるようになった。さらに、俳話のあ...
八手の花は、初冬に咲く庭木の花として代表的なもの。葉は柄が長く、先が8つほどに裂けていることから「八手」と呼ばれ、掌のようにも天狗の団扇のようでもある。枝先に白い苞につつまれた円錐形の花序をつける。 『薬草カラー大図...
今日は12月28日、今年が終わるのは、もういくつ寝るとお正月、と唄われるように、あと数日となった。コロナのニュースが中国の武漢から流れて、なんだろう、と思っている間に、外出を控えること、マスクを付けること、ソーシャルデ...
一昨日の12月24日から、フィギュアスケートの全日本選手権が行われている。男子が先に勝負は終わり、羽生結弦が、ショート1位を終えて昨夜のフリーでは、圧巻の演技をした。大ファンの結弦がジャンプを跳ぶときは、まともに観てい...
風花を見たことがあるような気がしている。俳句を始めるずっと前の大学時代に友人たちと行った霧ヶ峰のスキー場で出合った雪片は風花であったかもしれない。 ひらひら飛んできた雪片を手に受けたとき六角形で、のちに、「六の花(む...
今日はクリスマス。いつもよりずっと早く目覚めた男の子は、ベッドの柱にぶら下げておいた袋をのぞいた。ぺちゃんこだ。 「ママーっ! ボクんとこにプレゼントが来なかったよ。」 「そんな筈はないわ。よーく、探してごらんなさ...
子育ての中でいちばん楽しい時期がクリスマス。なにしろ、12月の初めから、サンタさんの話を聞かせていたわが家では、24日の晩にサンタさんが本当にやってくるのか、いい子の家にはプレゼントを持って来るっていうけれど、ボクはい...
昔、冬は本当に寒かった。小学生時代を思い出すと、いつだって白い息を吐きながら外で遊んでいた。 今年は、コロナがまた勢いを増しているからか、外でマスクを付けていない人に出合ったことはない。夜の犬の散歩で、草を食べたり、...
このところの冬晴れにつられて、2日続けて、菅生沼の白鳥を見に行った。ここは小白鳥の飛来地。 深見けん二先生の「白鳥」の句を紹介しようと、確認のために『深見けん二俳句集成』を開いた。その中の第5句集『余光』は平成3年、...
12月21日は今年の冬至である。太陽がいちばん北半球から遠ざかるときで、一年中で昼がもっとも短く、夜がもっとも長い日で、ちなみに今日の日の出は6時47分、日の入りは16時30分であった。 朝からずっと冬晴れのよい天気...
ここ数日の寒さで、銀杏並木の黄葉もすべて散り終えて、冬晴れの青天に万朶をすっくと見せて、冬木街道になっている。 冬木で好きなのは、幹も枝ぶりも立派な欅。練馬区に住んでいた頃、車で10分ほどの近さの光が丘公園には桜の木...
句会では、「懐手」などの季題は最近では本来の形として見ることはなくなりつつある。前もって兼題が出たり、句会で席題が出て、慌てて歳時記や季寄せに、首っ引きで作るなどを重ねて、漸く覚えてゆく。 「懐手」とは、寒いときに手...
田中芥子は、俳人であり版画家である。俳号「芥子」は、芥子(けし)の花だが、昭和17年に高浜虚子に入門すると虚子から「かいし}と呼ばれ、以降「たなかかいし」となったという。 版画作品は、「俳画まんだら」の中で拝見したこ...
狼は、日本ではすでに絶滅した猛獣である。耳が立ち牙がある狼と犬が似ているのは犬の先祖が狼であったからである。人間が狼を生け捕りにして飼いならすことができると、人間は狼を犬と呼んだ。狼が山犬と言われる所以である。 狼に...
冬の動物といえば、キツネ、タヌキ、オオカミ、などが浮かぶ。私は大分県の生まれで、4歳からは東京で育った。一人っ子の私は、狐が化ける話とか、人間にいろいろな悪さをするといった話は、親から聞くことはなかった。 そうした話...
今日は、昭和63年12月15日に亡くなられた、山口青邨先生の忌日である。 私が、深見先生に師事したのは平成元年の4月、家から一番近い光が丘のカルチャーセンターからであった。半分は講義で半分は句会が行われる深見教室の...
元禄15年12月14日、主君浅野内匠頭の仇討で、吉良上野介邸に赤穂藩士四十七士が討入をした日である。NHK大河ドラマ「赤穂浪士」を始め、忠臣蔵はタイトルを変えて作られた。歌舞伎では「仮名手本忠臣蔵」があり、初代中村吉右...
倉田紘文先生は、蝸牛社刊『秀句三五〇選 死』の編著者として、このテーマに取り組んでおよそ半年、悶々と過ごされたという。 今、本書が刊行されて既に30年が過ぎた。そして平成26年、紘文先生はお亡くなりになられた。 私...
今日は土曜日、朝から家の中でいろいろ片付けていて遂に、夜の犬の散歩で外に出た。畑の間の砂利道をぬけてゆくと、大通りのふれあい道路だ。今、銀杏並木は黄葉を半分ほど落としてはいるが夜の紺色の空に黄色が映えてうつくしい。わが...
今朝、窓からの眺めは一面の濃い霧であった。利根川が近いから霧が湧く。私はすぐにも飛び出して10年前のように利根川の土手を歩きたかったが、案の定、夫に止められた。 12月になると手紙を書くことが多い。父や母のこと兄や姉...
癖になりそう、というほどの鑑賞力が私にあるわけではないが、時折つつかれて、考えてみたくなる作者である。加藤郁乎俳句は、今宵は2度目、最初は第二百三十九夜で〈切株やあるくぎんなんぎんのよる〉のシュールな作品を試みた。 ...